どうなる?静岡駅南口広場 狭い…混雑も 現状と課題は 再整備計画策定へ初の検討委員会

先週、静岡市の難波市長は、静岡駅南口広場の拡張整備事業を開始すると発表しました。そして、6日、再整備計画の策定を目指す、初めての検討委員会が開かれました。静岡駅南口広場の現状と課題とは。

(静岡市 難波市長)

「整備事業の開始の宣言をしたいと思います、使いやすく魅力のある静岡駅南口駅前広場に向けた、拡張整備事業の開始の宣言です」

9月27日、静岡市の難波市長が発表したのは、静岡駅南口駅前広場の拡張整備事業の開始。

(静岡市 難波市長)

「まずは利便性。利便性が高いとは言えず、交通混雑と安全性の問題、それが一番の基礎になる、あと感性の問題で、南口からぱっと出た時に、この街いいよねってかたちが出ていない、いまの状況だと、『こんなものができるのか』と皆さんがワクワクするようなものにしていきたい」

静岡市は、広場東側にあるビルの所有者から、拡張について用地確保の理解が得られたとして、現状の広場から南側と東側に拡張する方針で、2030年代前半の供用開始を目指すとしています。

静岡駅南口広場は、1993年に供用開始してから、現在のかたちのまま。30年が経過しているのに対し、静岡駅の北口は、2008年にバスロータリーなどが新しく整備されました。

(白鳥 貴久 記者)

「静岡駅北口です、こちら側にはバスのロータリー、そして反対側には一般車の駐車スペースとタクシー乗り場があり、それぞれ分かれて設置されています、また、道も広く歩きやすい場所となっています」

さらに、3年前には、ロータリー内の混雑を解消するため、出口付近の車線を増設する整備も行われています。一方で、南口の駅前ロータリーは…。

(白鳥 貴久 記者)

「JR静岡駅南口です、一般車の駐車スペースは8台しかなく、タクシー乗り場やバス停が同じロータリー内に設置されているため、出入りする車両の数が多い印象です」

ロータリーは狭い上に、バスとタクシー乗り場が混在。また、一般車の駐車スペースは、わずか8台と乗降スペースの不足が課題となってきました。その影響で、夕方の帰宅時間帯には…。

(白鳥 貴久 記者)

「車が列を作り、道路の半分を占領しているため、バスの走行を妨げています」

駅を利用する車がロータリーの入口付近に密集し、バスが通り抜けできない場面も見られました。また問題は車以外にも…。

(白鳥 貴久 記者)

「人通りが多い時間帯では、人をよけながら歩いている様子がうかがえます」

現在の南口広場について、静岡市民は…。

(静岡市民)

「いま車社会なため、結局は駐車場が狭い、その辺1つあれば、もう少し栄えていくのでは」「南口も北口のようににぎやかになってほしい」

(静岡市民)

「人が乗り降りするにはちょっと窮屈」「よくここでバスを待っているが、いま車が止まっているあの辺りで出入りするとき、クラクションがよく鳴っているので、危ないなと」

市民から不満の声が上がる中、市が発表した拡張事業に南口近くの店舗は、期待を寄せています。

( 三日月堂 青島 知義さん)

「広くなって車がスムーズになり、歩く人が楽になればそれに越したことはない」「人が集まる所には、周りも多少おこぼれを頂戴できると思うため、(商店街に)寄ってくれれば、商店街の活性化に少しは役に立つのでは」

難波市長は、静岡駅南口広場の将来像について、「エリア一帯を魅力的な場所にしたい」と話します。

(静岡市 難波市長)

「整備事業の中でやるのかは別にして、このエリア一帯を魅力ある場所にしたい、整備事業の外で(ホテルや商業ビルが)できるのは大歓迎、できるだけ多くの人が集まれるような場所、魅力ある場所に高度利用される場所にしたい」

そして6日、静岡市役所では、静岡駅南口の再整備について話し合う検討委員会が、初めて開かれました。

検討委員会の委員には、都市計画の専門家や地元自治会の代表など、15人が選ばれていて、6日の委員会では、現在の静岡駅南口が抱える課題が市の担当者から説明された後、今後の南口広場が「目指すべき姿」について、議論が交わされました。

(静岡駅南口広場再整備検討委員会 増田 郁理 委員)

「新幹線口なので、降りた時に静岡らしいと感じられるもの、もう少し明るく開けて、誘導できるような環境づくりが必要」

(静岡駅南口広場再整備検討委員会 井藤 喜美江 委員)

「人を中心にこれから考えていくとすれば、何か目的があって、交流があるからここに行くというような活用をしないと、移動のためだけにしか行けなくなるため、交流があるスペースがあればいいなと」

今後、検討委員会は、3回行われる予定で、2024年度中に「整備基本計画」をとりまとめる方針です。静岡市の玄関口のひとつである静岡駅南口。街の活性化に向けて、今後どのように再整備事業が進んでいくのか注目です。

ここで計画の概要についてもう一度、見ていきます。

現在、広場の東側には商業ビルやパチンコ店がありますが、静岡市は、拡張計画に関して、関係者から用地確保の理解が得られたことから、整備事業を開始したということです。現状から、南側、東側に拡張する方針で、2030年代前半の供用開始を目指します。スペースを広げることで今まで混雑の要因となってきた、バス、タクシー乗り場が混在、一般車の駐車スペースが8台だけ、などの課題が解消されると期待されています。

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