「未来がかかった試合」「歴史を変えていく」J1自動昇格を掴むのは清水か 磐田か きょう10月7日「静岡三国決戦」ファイナルラウンド

J2リーグに所属する静岡県勢3クラブが激突する「静岡三国決戦」。このファイナルラウンドとなる清水エスパルス対ジュビロ磐田が10月7日、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)で行われます。

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2位磐田と3位清水の勝ち点差はわずか1。磐田が勝てばその差は開き、清水が勝てば、再び立場は入れ替わります。静岡を二分するともいわれる“静岡ダービー”。リーグ戦54回目の対戦は、J1自動昇格をかけたまさにサバイバルマッチです。

2022年10月22日、ともにJ1残留をかけた52回目のダービーは1対1の引き分け。「勝者なきダービー」といわれ、その後、清水、磐田ともにJ2降格の屈辱を味わうことになります。あれから1年、止まっていた時計の針を動かすのは、清水か?それとも磐田か?

<清水エスパルス FW 北川航也選手>
「ただの1試合ではないと思うし、クラブの歴史が、未来がかかった試合でもあると思う」

圧倒的な戦力と揺ぎない自信で2度目のJ2に臨んだはずの清水。しかし、厳しい現実が待っていました。クラブワースト開幕7戦勝利なしで監督交代。19位まで順位を落とします。その後盛り返し、一時は2位に浮上するも前節、藤枝に敗れ、自動昇格圏から転落しました。

<清水エスパルス FW 北川航也選手>
「前評判だったり、順位とか調子とか関係なしにこの試合で勝ったチームが上に行くと思っているし、どんな試合になろうとも自分たちは勝つことを90分諦めてはいけない」

清水ユース出身、FW北川航也選手。幼い頃からオレンジ軍団の誇りを胸に戦い続けてきました。2018年のダービーで2ゴールを挙げるなどブレイク。翌年、海外へと移籍しましたが出場機会に恵まれず、古巣に復帰。今シーズンもここまで4ゴールとチームと同じようにもがき続けています。

「愛する清水の、未来切り拓け」
チャントでこう歌われるエースの覚醒をサポーターは信じています。ライバルからゴールを奪い、J1昇格の“未来”を北川選手が切り拓きます。

<清水エスパルス FW 北川航也選手>
「素晴らしい雰囲気の中でエスパルスを応援してくれる方々が多く来てくれると思う。清水エスパルスが1番であることを証明しなければいけないと思う。自分はそうやって偉大な先輩たちの背中を見て、このチームに入りたいと思った。次は自分が子どもたちに夢や目標を与えられるようなプレーをしたい」

ダービーは絶対に負けてはいけない

2023年3月、エコパスタジアム(静岡県袋井市)。静岡三国決戦の“オープニングラウンド”となった磐田対清水。この試合開始からわずか2分で衝撃的なゴールが生まれました。

現役高校生ストライカー・後藤啓介選手が先制ゴールを挙げ、鮮烈なダービーデビュー。当時17歳の後藤選手にとって、この日が記念すべきリーグ戦初先発でした。

「初先発がダービーというのも何かの縁を感じていた。ダービーは絶対に負けてはいけないというのは(ユース時代から)いわれてきているので、自然と燃える一戦かなと思う」

幼い頃からサックスブルーのユニフォームに袖を通してきた後藤選手にとって清水との戦いは特別な一戦。18歳の高校生ストライカーがダービー連発で新たな歴史を作ります。

<ジュビロ磐田 FW 後藤啓介選手>
「すごい楽しみというか、もう緊張も何もないですし、やっと満員のアイスタでダービーができると思っているので、このダービーがジュビロの歴史を変えていくと思うので、クラブの歴史に一つ貢献できたらなと思う」

もう1人、ジュビロの勝利へのカギを握るのが、キャプテン・山田大記選手です。ダービーでは、酸いも甘いも経験してきました。

<ジュビロ磐田 MF 山田大記選手>
「いろんな記憶がありますね。自分のミスから失点して負けて、そこから降格してしまったシーズンもありますし、自分がゴールをIAIスタジアムで決めて、勝てた試合もありますし、いろんな思い出があるが、このダービーをいい思い出のダービーにしたいなと思う」

静岡ダービーの歴史と重みを知るキャプテンが愛するジュビロを勝利に導きます。

<ジュビロ磐田 MF 山田大記選手>
「どちらが昇格するか、自動昇格圏を掴み取るかを決するような、大事な意味合いを持つダービーになると思う。自分たちはその雰囲気を楽しみながら、勝ち点3を持って帰ってこれたらいいなと思う」

かつて、Jリーグチャンピオンの座を争った清水と磐田。立場こそ変わりましたが、ダービーで許されるのは、勝利のみです。J1の扉をこじ開けるのは、エスパルスかそれともジュビロか。

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