公園の地面に飛び出た鉄パイプ…サッカー中の男児15針縫うケガ 両親ら福井県大野市に損害賠償請求

 福井県大野市の屋外スポーツ施設でサッカーをしていた男児が、地面から飛び出た鉄パイプに左膝をぶつけてけがをしたのは、大野市が安全管理を怠ったためとして、男児と両親が市に約580万円の損害賠償を求めて福井地裁に提訴したことが10月6日、分かった。

 訴状によると、6月3、4日に大野市の奥越ふれあい公園で小学生サッカー大会が開催された。男児は3日午後4時ごろ、芝生広場で練習していたところ、地面から約20センチ飛び出ていて、先端がギザギザになった鉄パイプに左膝をぶつけ15針を縫うけがを負った。

 男児の左膝は8月上旬に完治したが傷跡は残ったままで、日常生活ではズボンや靴下で傷跡を隠そうとしているという。治療のためにサッカーができず、試合に出られなくなった悔しさから、情緒が極めて不安定になったと主張している。

 男児の父親は取材に「鉄パイプは伸びた芝生で見えづらくなっていた。頭などに刺さっていたら命の危険があった。市の対応は重大性の認識が薄いと感じた」と話した。

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 大野市によると、鉄パイプはスプリンクラーが破損したもので、6月7日に撤去。公園内に他にも危険物がないか確認したという。訴訟については「大変申し訳なく思っている。市として誠意を持って対応してきたが、損害賠償請求をされたことは誠に残念。今後の対応については弁護士と協議している」とした。

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