福井県小浜市のブランド養殖魚「小浜よっぱらいサバ」が今夏の猛暑の影響で、7月以降の3カ月間に飼育の9割に相当する約3190匹が死んでいたことが10月6日までに分かった。被害額は約500万円。出荷は夏までの注文分には対応するが、その後の見通しは立っていない。
養殖している田烏水産(同市田烏)によると、今年は1月から6月までに約8千匹を出荷。7月以降は高温対策としてサバに負担をかけないよう水揚げを中断していた。ところが8月後半から9月にかけ海水温が平均29度と高止まりとなり、高水温の影響を受け死んだという。サバの生息の適温は16~22度程度。今年は1万2千~1万4千匹の出荷を見込んでいた。
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同社では2020年8月にも猛暑の影響で4千匹以上のサバが大量死し、約2カ月間の出荷停止を余儀なくされた。21年以降は、温度が高い海面への浮上が避けられない餌やりを極力減らし、夏場の水揚げを停止する措置を取っていた。
同社の横山拓也社長は「夏場の高温対策は取っていたが予想外だった。今後、サバの成長をしっかり管理できる完全養殖の実用化などあらゆる選択肢を否定せず事業を持続させたい」と話している。