今季2023年にファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでGT3デビューを飾ったコムトゥユー・レーシングは、アストンマーティンと複数年契約を結び2024年から4年間、AMRコムトゥユー・レーシングのバナーの下でイギリスメーカーのクルマを走らせることになった。
ベルギー籍チームのチームマネージャーであるフランソワ・フェルビストは、先月バレンシアで行われたスプリントカップ・ラウンドでSportscar365に対し、チームがGT3レースにおける将来について複数の関係者と「本当に緊密な話し合い」を行っている最中であることを示唆していた。
今季限りでワークスプログラムを終了するアウディから、バンテージGT3のアップデートを予告しているアストンマーティンへのスイッチを決めたコムトゥユーだが、現在のところドライバーや2024年シーズンのプログラムの詳細については明らかにされておらず、後日アナウンスされる予定だ。
「アストンマーティン・レーシング(AMR)と4年間のパートナーシップを締結できたことを非常に誇りに思う」と語るのは、チーム代表のジャン-ミシェル・バート。
「私たちは彼らの熱意、勝利への意欲、そして将来に対するビジョンに魅了された。彼らのおかげでGT3に加え、GT4にも参戦できることになった。ドライバーやチャンピオンシップなど、プログラムの詳細をすべて明らかにするのは時期尚早だが、我々のやる気は完全に満ちている」
「2024年シーズンに向けての準備は多忙を極めるが、前進を続けるためにできることは何でもするつもりだと言える」
■アウディスポーツに感謝
コムトゥユー・レーシングは、TCRシリーズでの長いキャリアを経て今シーズン初めてGT3コンペティションステップアップし、GTWCヨーロッパのエンデュランスカップとスプリントカップの両イベントで、計3台のアウディR8 LMSエボIIを走らせている。
「GT3デビューをサポートしてくれたアウディスポーツ・カスタマーレーシングに感謝したい」と続けたバート。
「たとえ、つねにより良い結果を出すことが可能だったしても、競争のレベルは疑う余地のないファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパで成功裏にデビューした。スプリントとエンデュランスの両方でクラス優勝や表彰台を経験し、総合ランキングでも上位につけていることがその証拠であり、2023年を最高の形で終えたいと思っている」
「しかし、アウディとのGTにおける将来的な成長の可能性は、もはや見いだすことができなかった」
コムトゥユーとアストンマーティンの契約発表は、チームがエンデュランスカップのダブルタイトルを獲得した第9戦バルセロナ・ラウンドに先駆けて行われた。
■“一流”の提携先を探していたアストンマーティン
パートナーレーシングAMRの責任者であるヒュー・タスカーは「アストンマーティン・レーシングは、コムトゥユー・レーシングと提携できることを嬉しく思っている」と述べた。
「我々のブランドはモータースポーツとGTにおいて素晴らしい歴史を持っている。そんな私たちは、パフォーマンスとプロフェッショナリズムに対するビジョンを共有する“一流のパートナー”を探していた」
「コムトゥユー・レーシングはGT3での最初のシーズンからクラス優勝と総合表彰台を獲得し、すでにベンチマークであることを証明した。初めて接触したときから、彼らには私たちと同じように勝利への意欲を感じたんだ」
「したがって今後4年間、彼らと協力できることを誇りに思うとともに、アストンマーティンがGTレースで勝利を収めるために手を携えていくことを楽しみにしている」