落ちアユ、身くねらせ 白鷹でやな漁

最上川の常設やなにかかったアユがすだれの上を跳ねていた=白鷹町・道の駅白鷹ヤナ公園

 「落ちアユ」を捕らえる伝統のやな漁が、白鷹町の道の駅白鷹ヤナ公園直下の最上川で行われている。日本最大級を誇る幅約20メートルの常設やなには6日早朝、約200匹が上がり、その身をくねらせていた。

 やな漁は木製の骨組みの上に敷いたすだれで流れ込む魚を捕獲する仕組み。アユが良質な餌場を求めて遡上(そじょう)後、産卵のために川を下る習性を利用している。例年9月中旬から最盛期を迎えるが、今年は猛暑による水温の高止まりや水位低下で遅れ、気温の低下とまとまった降雨が重なった9月下旬からかかり始めた。多い日は1日約1000匹、9月末までに計約2000匹が上がり、豪雨災害で不漁だった昨年実績の約1000匹から持ち直している。

 かつては1日1万匹かかる年もあったものの、近年はカワウやブラックバスによる食害で低迷している。漁期は10月末まで。やな師の三沢成人(しげと)さん(34)は「ピークは過ぎたが、終盤の伸びにも期待したい」と話していた。捕れたアユは同道の駅のあゆ茶屋やイベントなどで販売する。

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