ウェブ公開の政務活動収支報告書「黒塗り」解除できる状態に 京都府の2自治体の議会

黒塗り状態の領収書の写し

 京都府の南丹市議会と宮津市議会が政務活動費(政活費)の収支報告でホームページ上に公開している領収書の写しが、一定の操作をすれば印影や担当者名、口座番号などの個人情報に施された黒塗りを解除できる状態だったことが分かった。両議会は京都新聞社の指摘を受け、6日までに「不適切だった」として公開データを削除した。

 南丹市議会は2018~22年度に各会派が政活費を支出した際の領収書の写しを公開している。個人情報が記された部分は、同市議会事務局が電子データ上で黒塗り処理しているが、22年2月までの分は簡単な操作で解除でき、印影や入金先の口座番号、議員の携帯電話番号などを閲覧できるようになっていた。同市議会事務局は「解除できる認識がなかった。個人情報保護の観点で職員の研さんを進める」と謝罪した。

 宮津市議会も公開していた17~22年度のうち、20年度以前は外れる状態だった。同市議会事務局は「管理が及んでおらず不適切だった」として、データを差し替えた。

 京都府議会事務局は、印影や担当者名、公表されていない電話番号などは全て黒塗りしているという。

 黒塗りを巡っては、18年に財務省が森友学園との交渉記録をホームページで公開した際に同様の不具合があった。

一定の操作をすれば黒塗り状態が解除された

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