宇都宮市が帯状疱疹ワクチン助成 11月から50歳以上対象 公費助成を求める声に応え

宇都宮市役所

 【宇都宮】痛みやかゆみを伴う発疹が帯状に現れる帯状疱疹(ほうしん)について、市は11月、ワクチン接種費用の一部助成を始める。発症や重症化リスクが高い50歳以上を対象とし、ワクチンの種類により4千〜2万円を助成する。市によるとワクチン接種費の助成は、県内8市町目。

 対象は50歳以上の市民で、生涯1度のみ利用できる。助成額は生ワクチン4千円、2回接種の不活化ワクチンは1回につき1万円。市の協力医療機関(約200機関)で接種する場合は現物給付方式で、市外の医療機関は償還払い。

 市は対象者約23万3千人のうち、年度内に約2%の約4600人が接種すると想定し、9360万円を9月補正予算に計上した。

 帯状疱疹は、過去に感染した水疱瘡(ぼうそう)のウイルスが再活性化することで発症する感染症。80歳までに3人に1人が発症するとされる。

 ワクチンは2種類あり、予防効果や有効期間が異なる。予防効果率50〜60%の生ワクチンは、1回接種で約8千円。予防効果率が90%以上で有効期間も長い不活化ワクチンは2回接種で計4万〜5万円ほどかかる。

 帯状疱疹ワクチンを巡ってはこれまで、市議会や市医師会、市民団体などから公費助成を求める声が寄せられていた。市保健予防課の担当者は「新型コロナウイルス感染症の5類移行後、市民から助成に関する問い合わせや要望が増えており、スピード感を持って今回の制度開始となった」と説明している。

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