長崎市の新文化施設 市庁舎跡地が有力か 4つの候補地を説明 年度内に建設地を決定

新たな文化施設の四つの建設候補地について意見を交わした会合=長崎市役所

 長崎市は6日、新たな文化施設の建設候補地として、従来の市庁舎跡地(桜町)に加え、県営常盤駐車場と常盤南駐車場(常盤町)、中部下水処理場(茂里町)跡地も検討すると明らかにした。計4カ所の候補地の中で建設費用や期間、市中心部のにぎわい創出効果などを比べて本年度中に建設地を決めるが、市庁舎跡地が有力とみられる。
 市が今春策定した基本計画で市庁舎跡地での建設を予定していたが、鈴木史朗市長が6月、長崎駅周辺のにぎわいを浜町周辺の「まちなか」に波及させる観点などから、市庁舎跡地での建設が適切かどうか再考すると表明。市は中心部の公有地のうち「敷地面積5千平方メートル以上」「今後の土地利用方針が示されていない」などの条件に合う候補地4カ所を抽出した。
 一連の経過について、市は6日、市中心部の将来像を話し合う「長崎都心まちづくり構想検討委員会」と、文化施設整備などを議論する「文化振興審議会」の合同会合で説明。双方から4候補地に対する意見を聞き、委員から早期整備が可能な候補地選定を求める意見が相次いだ。
 市は会合で、中部下水処理場は本年度に廃止し、来年度以降に解体するため「整備に一定の時間がかかる」と説明。常盤地区の県営駐車場2カ所について、近くの松が枝ふ頭に接岸したクルーズ船の観光バス駐車場として既に使われており、県有地の買収費用が発生する可能性も指摘した。
 過去に候補地となった県庁舎跡地(江戸町)は除外。跡地活用に向けた基本構想に「文化ホール機能」が含まれないことや、埋蔵文化財があることから「新たな文化施設を建てるには適当ではない」との判断を示した。
 市は4候補地の評価を進め、次回会合で建設地としての優先順位を示す。

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