民間へ売却か譲渡 川棚町が観光施設「くじゃく荘」と「しおさいの湯」の運営方針公表 長崎県

くじゃく荘(左)としおさいの湯=川棚町小串郷

 長崎県東彼川棚町は6日、同町大崎半島内の町有観光施設について、管理、運営の基本方針を公表した。宿泊施設「公共の宿 くじゃく荘」(同町小串郷)と、隣接する温浴施設「しおさいの湯」について、民間事業者への「売却または譲渡が望ましい」とした。
 大崎半島の観光施設は両施設と自然公園で構成し、指定管理者制度で川棚町観光協会が運営している。くじゃく荘は1998年に開館した鉄骨鉄筋コンクリート造の地下1階地上5階建て。37客室に約150人を収容する。しおさいの湯は2004年にオープンした。05年度にしおさいの湯、翌年度くじゃく荘と自然公園に指定管理者制度を導入した。町観光協会の委託期間は24年度末まで。
 町によると、半島内の観光施設への一般会計繰入額は、13年度以降の10年間で管理費や施設の工事、修繕費など総額12億3千万円に上った。宿泊・温浴施設に限ると今後の大規模改修に約2億円が必要とみられ、「民間事業者の経営、運営ノウハウを活用し、町財政の負担を軽減、観光振興に資する施設へと活用する」とした。
 くじゃく園や交流広場は現状の指定管理者制度、大崎海水浴場やキャンプ場はPFI事業(民間資金活用による社会資本整備)が「望ましい」とした。町は年度内に、施設ごとの公募要領を作成する方針。
 町は20年2月、町議会から観光施設の事業再構築を求められ、有識者による検討委を経て、役場内で対応を協議してきた。


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