「信仰尊重する気持ちが大切」 池上彰さん宗教について栃木で講演

宗教などついて解説する池上さん

 【栃木】県内の浄土宗寺院の有志でつくる「仏教耕心の会」が主催したジャーナリスト池上彰(いけがみあきら)さんの講演会が2日、とちぎ岩下の新生姜(しょうが)ホールで開かれ、地域住民ら約1100人が耳を傾けた。

 講演テーマは「宗教は人々を幸せにするか?」。池上さんは、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題や、オウム真理教などの事件と宗教の関連について解説。「不安定な社会情勢の中で宗教が広まってきた歴史がある。解決が難しい問題が起きたときに、宗教が心の支えになり、あのような事件が起きたのではないか」などと話した。

 新型コロナウイルスに関連して、感染症と宗教の歴史には関係があることなども指摘。奈良時代に天然痘が流行し、人々の不安を鎮めるために大仏が建立され、日本で仏教が広まったことを紹介した。

 最後に「そもそも宗教は人を幸せにするものだが、信仰を人に押しつけると不幸なことが起きる。それぞれの信仰を尊重する気持ちが大切だ」と呼びかけた。

宗教などついて解説する池上さん

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