プレーオフの戦いは2つ目のステージへ 地区シリーズ4カード展望

ワールドシリーズ制覇を目指すプレーオフの戦いは、日本時間10月8日から2つ目のステージである地区シリーズに突入する。ワイルドカード・シリーズを勝ち上がってきたツインズ、レンジャーズ、フィリーズ、ダイヤモンドバックスに加え、両リーグの第1シードと第2シードが登場。昨季王者アストロズはツインズ、ア・リーグ最高勝率のオリオールズはレンジャーズ、メジャー最高勝率のブレーブスはフィリーズ、そしてプレーオフの常連ドジャースはダイヤモンドバックスと対戦する。

昨季まで6年連続で少なくともリーグ優勝決定シリーズまで駒を進め、21世紀初となるワールドシリーズ連覇を目指すアストロズは、前田健太が所属するツインズと対戦する。新鋭ロイス・ルイスの活躍もあり、歴代ワーストのプレーオフの18連敗をストップしただけでなく、21年ぶりのシリーズ突破を成し遂げたツインズ。カルロス・コレアは古巣との対戦となるが、「チームを次のステージに進めることに集中する」と必要以上に意識はしていないようだ。経験値ではアストロズが大幅に上回るが、アストロズは9月以降に13勝14敗ともたつきが目立った。ツインズはパブロ・ロペス、ソニー・グレイの2本柱とクローザーのヨアン・デュランを中心に強力な投手陣を擁しており、番狂わせが起きても決して不思議ではない。

藤浪晋太郎のロースター入りが期待されるオリオールズは、リーグ最高勝率の立場でレンジャーズを迎え撃つ。レンジャーズは新鋭エバン・カーターの活躍もあり、ワイルドカード・シリーズではリーグ2位の99勝を挙げたレイズを2連勝で撃破。2試合で1点しか与えないなど、いま最も勢いのあるチームと言っても過言ではないだろう。戦列復帰に意欲を見せるマックス・シャーザーのロースター入りが実現すれば、さらに勢いを増すことになるかもしれない。一方のオリオールズはカイル・ブラディッシュとグレイソン・ロドリゲスの成長で安定感を増してきた先発投手陣に対し、守護神フェリックス・バティースタを欠くブルペンに不安が残る。メジャー昇格後、まだ1度も被スイープを経験していない司令塔アドリー・ラッチマンが懸命に投手陣をリードする。

今季メジャー最多の104勝を挙げたブレーブスは、MLB公式サイトのワールドシリーズ優勝予想で一番人気のフィリーズとの同地区対決に臨む。昨季はワイルドカード・シリーズでカージナルスを2連勝で撃破した勢いそのままに、フィリーズが3勝1敗でブレーブスを下した。レギュラーシーズンで14ゲーム差をつけられたとはいえ、現在のフィリーズの勢いを考えると、2年連続の「下剋上」は十分に期待できる。ブレーブスは「史上最強」との呼び声も高い打線はともかく、投手陣(特に先発)に不安を残す。第2戦は故障明けのマックス・フリードが先発予定で、第3戦は後半戦に防御率5点台と大きく失速したブライス・エルダーの先発が有力。しかもこの2試合はフィリーズの2本柱との対戦となる。エースのスペンサー・ストライダーが先発する初戦を落とすようだと、またしても地区シリーズで姿を消すことになるかもしれない。

3年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指すドジャースは、レギュラーシーズンで16ゲームの大差をつけたダイヤモンドバックスとの同地区対決となる。ダイヤモンドバックスは2本柱の一角であるメリル・ケリーが初戦に先発するが、ドジャースに対して通算16先発で0勝11敗、防御率5.49と極端に相性が悪い。苦しい戦いになることが予想されるが、第2戦には中4日でエースのザック・ギャレンが先発できるため、初戦を取れれば、一気に2連勝という流れも考えられる。ドジャースも先発投手陣には大きな不安を残しており、「ドジャースが圧倒的有利」との声も多いなか、番狂わせが起こる可能性は意外と高いのではないだろうか。ドジャースは昨季も22ゲーム差をつけた同地区のパドレスに地区シリーズで敗れており、その二の舞だけは避けたいところだろう。

リーグ優勝決定シリーズに進出するのは、どの4チームになるのか。次のステージへの切符をかけた3勝先取制の戦いがいよいよスタートする。

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