奈良で鹿の角切り、迫力の攻防 恋の季節前に、観光客が声援

奈良公園の鹿苑で行われた伝統行事「鹿の角切り」=7日午後、奈良市

 350年続くとされる古都奈良の伝統行事「鹿の角切り」が7日、奈良市の奈良公園にある保護施設「鹿苑」で行われた。縄を持って追いかける勢子と、荒々しく駆け回って逃げる鹿との迫力ある攻防に、観光客が「頑張れ」と声援を送った。9日まで続く。

 鹿は秋から冬に恋の季節を迎え、攻撃的になることがある。約60センチもの角で人を傷つけるのを防ぐため、1672年から実施されているという。

 和太鼓の合図とともにまず3頭が広場に入れられ、法被姿の勢子約20人が、赤い旗を振って追い込んだ。するりと抜けて逃げる鹿たちの角に縄を引っかけ、ようやく押さえ付けると、拍手と歓声が上がった。

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