犬が病気になっている可能性がある『ウンチの状態』5選!色や形、ニオイを日頃から観察して!

犬のウンチは愛犬の健康状態を知るバロメーター

犬は自分で体調不良を飼い主に訴えることができません。また、弱点を見せてはいけないという本能から、体調不良を隠そうとする犬もいます。

そんな時、愛犬の健康状態を知るバロメーター的役割を担ってくれるのが『ウンチ』です。犬のウンチの形や色、ニオイ、状態などをチェックすることで、その犬の現在の健康状態を大まかに知ることができます。

犬を飼っている方は必ず愛犬がウンチをした時、ウンチの状態を確認してください。少しでもおかしいなと感じたら、ウンチを袋に入れてかかりつけの動物病院に持って行きましょう。

犬が病気になっている可能性がある『ウンチの状態』5選

では、犬が病気になっている可能性がある時、どのようなウンチを排泄するのでしょうか。色や形、状態など、特徴的なウンチと考えられる症状を解説します。

1.黄色っぽい便

黄色っぽいようなウンチは、膵臓から正常に消化酵素が分泌されていない状態である可能性が疑われます。これは『慢性膵炎』に見られる症状の1つです。

他にも食欲低下や元気消失、嘔吐などの症状が現れることもあり、放置していると膵外分泌不全や糖尿病を併発する危険性もあります。早期発見により治療が可能なので、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

2.ドス黒いタール状

いつもよりウンチがドス黒い色をしている場合は要注意です。この状態のウンチは、胃や腸から出血が起こっているため血がウンチに混ざり、排泄までの時間経過と共に血の色がドス黒く変色している可能性が疑われます。

重度の炎症や何らかの異物混入などの危険性が考えられるので、すぐに動物病院へ連れて行き、胃腸の状態を検査してもらいましょう。

3.ゼリーのような粘液が混ざっている

ネバネバとしたゼリーのような粘液状のものがウンチに混ざっている場合は、腸内で炎症が生じている可能性が疑われます。放置していると重症化してしまうので、早めに診察してもらい、治療を行いましょう。

また、場合によっては腸に腫瘍ができている可能性も疑われます。悪性の場合、命の危険もあるため緊急でかかりつけの動物病院に相談し、必要に応じて紹介状を書いてもらうなどの準備をしてもらいましょう。

4.水っぽくサラサラとした水様便

通常、健康的なウンチはしっかりと形が残ります。しかし、水っぽくサラサラとした水様便として出てくる場合、重度の腸炎やウイルス感染が疑われるので要注意です。

症状が重症化する危険性はもちろん、水っぽいウンチが出続けてしまうと脱水症状も併発するリスクが高まります。すぐに動物病院へ連れて行き、必要な治療を受けましょう。

5.平べったい形

いつもより平べったい形でウンチが出てきた場合、直腸内腫瘍や前立腺肥大が疑われます。前立腺肥大は高齢期に入ったオスに見られる症状ですが、直腸内腫瘍は性別や年齢は関係ありません。

直腸内腫瘍の場合は、平べったい形のウンチに血液が混ざっていることも多いので、よく観察し、血が混ざっている場合はかかりつけの動物病院に相談しましょう。

まとめ

いかがでしたか。犬のウンチ1つでもさまざまな形や色、状態が確認できます。ウンチの状態から現在の愛犬の健康状態を知る手がかりになるので、愛犬に健康で長生きしてもらうためにもウンチの状態を毎日確認しましょう。

(獣医師監修:寺脇寛子)

© 株式会社ピーネストジャパン