空の祭典に5万人 小松基地航空祭

航空ショー目当ての大勢のファンでにぎわった航空祭=航空自衛隊小松基地

  ●入場制限なし 編隊、曲技飛行楽しむ

 航空自衛隊小松基地の航空祭は7日行われ、入場制限のない4年ぶりの通常開催に5万人(主催者発表)が詰め掛けた。青空の下、繰り広げられる迫力の編隊飛行や曲技飛行の華麗な航空ショーに、来場者は熱視線を送り、「空の祭典」を心ゆくまで楽しんだ。

 小松基地第303、306飛行隊や飛行教導群「アグレッサー」は、F15戦闘機で正確に隊形を維持しながら飛行した。時速900キロでの急上昇や、Sの字を書くような急旋回で観衆をうならせた。

 エアレースパイロット室屋義秀さん(福島市)がレース予選を翌日に控える中で初参加した。プロペラ機で背面飛行や宙返りなどを披露し、スモークでハートマークを表現した。室屋さんは「空の仲間として小松基地を応援している。皆さんに飛行機の楽しさ、空の大きさを味わってほしい」と語った。

 三沢基地(青森県三沢市)のステルス戦闘機F35Aが展示され、日伊共同訓練や日豪共同訓練を記念した特別塗装機も注目を集めた。

 有料観覧席は26席設けられた。入場者を制限した昨年は見ることができなかったという熊本県芦北町の江口信一さん(63)は観覧席で「こんな景色は一生に一度しか見られない。戦闘機の上部や会場全体を見渡せるからうれしい」と笑顔を見せた。

 空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」は鹿児島での国体開会式で飛行するため参加しなかったが、所属する松島基地(宮城県東松島市)の隊員による「ブルーインパルスJr.」が初めて小松に展開。隊員は青と白が映えるバイク6台で、戦闘機の「展示飛行」さながらに隊形を組んで走行した。

 祝賀会では石引大吾司令があいさつし、佐藤正久参院議員、宮橋勝栄小松市長が順に祝辞を贈り、西正次小松基地友の会長の発声で乾杯した。

  ●小松のまちなかに人出

 航空祭に足を運んだ来場者でシャトルバスやタクシー乗り場には長い列ができ、JR小松駅には臨時の切符売り場が用意された。満車となった駅周辺の駐車場は、県外のナンバーが目立った。

 航空祭に加え、この日は小松駅周辺で開幕した小松市どんどんまつり(北國新聞社特別協力)や、サイエンスヒルズこまつで開催されている第47回九谷と花選抜出合い展(北國新聞社、石川県、一般財団法人県芸術文化協会など主催)などが重なり、小松のまちなかがにぎわった。

三沢基地のステルス戦闘機F35Aが展示された

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