長崎くんち・流鏑馬神事 成功祈願 見事に命中

流鏑馬で勇ましく矢を放つ射手=長崎市、諏訪神社

 長崎くんちの成功と市民の幸せを祈願する流鏑馬(やぶさめ)神事が7日、諏訪神社の中庭であり、長崎諏訪流鏑馬奉賛会の本田殖也(たつや)代表(48)ら4人と「射手見習い」4人が奉納した。
 8人はそれぞれ馬に乗り、的や扇に向かって矢を放った。見事に命中すると観衆から歓声が上がり、縁起がいいとされる菓子「おこし」がまかれた。矢が当たり割れた的で作る「奉納当たり的」は今年から日付などを筆耕し授与された。
 今年初めて「流鏑馬の儀」に臨んだ田川陽菜さん(21)=島根大3年=は、妹の琉夏(るな)さん(19)=県立ろう学校高等部専攻科1年=とともに奉納。本番では無事に的を射貫き「4年ぶりのくんちの成功を祈り、力強い奉納ができた」と晴れやかな表情で話した。
 同じく初舞台を迎えた琉夏さんは、生まれつき耳に障害があり体のバランスが取りにくく、昨年から馬に座る練習から始めた。「流鏑馬は難しい。今日は格好良く的に当てられた」と語り、陽菜さんも「練習で苦労していたこともうまくできていた」とたたえた。
 本田代表は「子どもたちも頑張り、良い結果を出せた。神様にも喜んでいただけたと思う」と誇らしげに語った。

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