長崎くんち開幕 諏訪に“熱気”4年ぶり 豪快船回しに観衆のかけ声

4年ぶりに開幕した諏訪神社の秋の大祭「長崎くんち」で、豪快な船回しを見せた本石灰町の「御朱印船」=長崎市上西山町

 諏訪神社(長崎市上西山町)の秋の大祭「長崎くんち」が7日、開幕した。同神社では、今年の踊町6カ町が国指定重要無形民俗文化財である奉納踊りを4年ぶりに披露した。新型コロナ禍などの影響で3年間、中止していたが、約2400人の観衆が桟敷席や長坂を埋め尽くし、「モッテコーイ」「ショモーヤレ」のかけ声が飛び交った。9日まで。
 「長崎くんち」は同神社の祭事の中で最も重要な大祭で、10月7日から9日にかけて行われる「例大祭期間」の総称。1634年、遊女の高尾と音羽が同神社に謡曲「小舞」を奉納したことが起源とされる。
 奉納踊りは7日午前7時、桶屋町が華やかに秋を祝う「本踊(ほんおどり)」で幕開け。船大工町の「川船」は見事に投げ網が成功。栄町は「阿蘭陀(おらんだ)万歳」をコミカルに演じ、本石灰町は「御朱印船」を豪快に回した。丸山町は「本踊」で伝統の舞を58年ぶりに披露。万屋町の「鯨の潮吹き」では、勢いよく吹き上がる潮が観衆を沸かせた。
 同神社では流鏑馬(やぶさめ)神事も奉納。午後から諏訪、住吉、森崎のみこし3基が「お旅所」(元船町)へ向かう「お下り」や、踊町の傘鉾(かさぼこ)が連なって進む「傘鉾パレード」があった。


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