V長崎 藤枝に5-1で大勝 4試合ぶり白星

【V長崎-藤枝】後半35分、今季23点目を奪い、アシストした松澤らと喜ぶフアンマ(右)=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 明治安田J2第38節第2日(7日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=4試合)V・ファーレン長崎は藤枝に5-1で快勝し、4試合ぶりの白星を挙げた。通算成績は16勝10分け12敗の勝ち点58。順位は7位から暫定6位に浮上した。
 V長崎は前半26分に先制。中村のシュートが相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。41分にはマテウスの左クロスをフアンマが頭で合わせて2-0。後半15分に中村の右CKから櫛引が右足で決めて3点目を奪った。攻撃の手を緩めず、35分に松澤のパスを受けたフアンマが左足でゴールネットを揺らして4-0。41分に1点返されたものの、2分後に5点目を奪って突き放した。
 上位対決の静岡ダービーは清水が磐田に1-0で競り勝って2位浮上。磐田は4位に後退した。東京Vは大分を1-0で下して3位に上がった。大宮は山口を2-1で破って3連勝。暫定ながら最下位を脱出した。
 第38節最終日は8日、各地で6試合を行う。第39節は20~22日、各地で11試合を実施。V長崎は20日午後7時から甲府市のJITリサイクルインクスタジアムで甲府と対戦する。

◎フアンマ圧巻2ゴール クラブ最多得点を更新

 V・ファーレン長崎を4試合ぶりの勝利に導く圧巻の2ゴールだった。エースのフアンマが頭と左足で豪快にネットを揺らして今季23点目。2019年に呉屋(現千葉)が記録したクラブのシーズン最多得点を塗り替え、得点王争いも独走状態に入った。
 まずは1-0で迎えた前半41分。チームを勢いに乗せる追加点を奪った。左サイドからマテウスが上げたふわりとした滞空時間の長いクロス。打点の高いヘディングで相手GKの届かないサイドネットに突き刺した。
 次の見せ場は終盤に差しかかった後半35分。左サイドで松澤がドリブルを開始すると「ボールが来ることを信じた」。ファーサイドから一気に駆け上がり、ペナルティーエリア中央寄りで待ち受ける。相手DFの位置を見極めて、横パスを左足でたたき込むと松澤らと抱き合い破顔した。
 一見とっつきにくく、勝利への執念から審判に何度も詰め寄り、警告を受けることも少なくない。しかし、ピッチを離れると大好きなアニメのキャラクターのリュックを持ち歩くなどおちゃめな一面もある。先月のファン感謝デーでは「小さな子どもたちが楽しんでくれればうれしい」と膝を折って接するなど心優しい青年でもある。
 5年ぶりに戻った長崎で得点を量産できるのは「チャンスをくれる仲間のおかげ」と感謝も忘れない。残り4試合。17年にV長崎のJ1昇格の立役者だった背番号9は「ここからが勝負。ぶれずに戦っていきたい」と昇格へ闘志をみなぎらせる。


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