秋の風物詩「島原城薪能」 狂言や能で観客魅了 屋外開催は5年ぶり

源義経と平家の怨霊との戦いをドラマチックに演じた船弁慶=島原城天守閣前広場

 秋の風物詩「島原城薪能(たきぎのう)」(同振興会主催)が7日、島原市の島原城天守閣前広場で上演された。屋外開催は5年ぶり。かがり火で幻想的に照らされた舞台で、おおらかな笑いを誘う狂言や、幽玄の美を醸し出す能が約900人(主催者発表)の観客を魅了した。
 島原藩政時代に盛んだった伝統文化を後世に継承しようと、1983年に復活し41回目。2019年以降は悪天候などのため屋内開催が続いていた。
 第1部は20年目を迎えた「肥前島原子ども狂言」。長崎県内の4歳児から21歳の大学生までの35人が、有明海の豊かな海の幸をテーマにしたオリジナル作品「釣ろうよ」などを愛嬌(あいきょう)たっぷりに演じた。
 第2部は主人の蔵新築を巡り、従者らが陽気な掛け合いを繰り広げる和泉流狂言「三本柱(さんぼんのはしら)」を披露。西国へ落ち延びる源義経を、静御前の別れの舞や平家一門の怨霊との戦いを通してドラマチックに描く観世流能「船弁慶(ふなべんけい)」も演じられた。


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