日本CATV番組アワード ぴ~ぷる(唐津)奨励賞 歌手・森田さんと聖母園の交流描く 新人賞優秀賞に伊万里ケーブルの前田さん

新人賞を受賞した伊万里ケーブルテレビジョンの前田佳樹さん=伊万里市の同社

 全国のケーブルテレビ局の番組を対象とした「第49回日本ケーブルテレビ大賞番組アワード」で、県内で制作されたドキュメンタリー2作品が表彰された。ぴ~ぷる(唐津市)がコンペティション部門の奨励賞に、伊万里ケーブルテレビジョン(伊万里市)の前田佳樹さん(29)が新人賞部門の優秀賞に選ばれた。

 ぴ~ぷるの番組「~約束~馬渡島の子どもたちへ」は、2021年3月に閉園した唐津市の離島・馬渡島(まだらしま)の児童養護施設「聖母園」の子どもたちと、東京で活動する唐津市出身のシンガーソングライター森田智子さんの交流を描いた。

 ぴ~ぷるの番組で聖母園の閉園を知った森田さんが19年8月、現地を訪れた。いじめを受けた過去を乗り越えたことを明かし、心を込めて歌うことで関係を深め、20年2月には子どもたちへ歌をプレゼントした。

 キリシタン信仰の歴史、少子高齢化の問題など多角的な視点で島の現状を伝えた。約3年をかけて制作した田中直也さん(47)は「森田さんと出会った子どもたちの表情が少しずつ変化していく様子を表現したかった。取材に協力してくださった方々に感謝したい」と話した。

 新人賞を獲得した伊万里ケーブルの前田さんは入社6年目。受賞作「つなぐ~バトンに思いを乗せて~」は、伊万里実業高陸上部の女子400メートルリレーチームが、昨年の県高校総体で初優勝を果たすまでの1カ月を追った。前田さんは「新人賞は入社した時からの目標だったのでうれしい」と喜び「来年は国民スポーツ大会もあるので、スポーツで地域を盛り上げる番組をこれからも作っていきたい」と抱負を語った。

 番組アワードは日本ケーブルテレビ連盟が主催し、コンペティション、コミュニティ、新人賞の3部門に全国から160作品が応募された。(松岡蒼大、青木宏文)

 

 

受賞作品を制作したぴ~ぷるの田中直也さん(右)。左は亀井信一放送部長=唐津市の同社
ぴ~ぷるの受賞番組「~約束~馬渡島の子どもたちへ」では、森田智子さんと聖母園の子どもたちとの交流を描いた(ぴ~ぷる提供)

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