妊娠相談から育児支援まで、福岡 大野城市、長期伴走の施設開所

「こどもと女性包括支援センターhalu(はる)」で業務するスタッフ=2日、福岡県大野城市

 貧困など事情を抱える特定妊婦らを切れ目なく支えようと、福岡県で新たな取り組みが始まった。4月に大野城市に開所した「こどもと女性包括支援センターhalu(はる)」では、予期せぬ妊娠の相談から子育て期まで長期にわたり寄り添う「伴走型」で、妊産婦の孤立や虐待防止を目指す。センター長の大神嘉さん(58)は「母子にまつわるどんな相談にも対応したい」と話す。

 センターによると、妊産婦や子育て世帯支援に加え、子どもの居場所支援まで機能を集約させた施設は全国初とみられる。運営は社会福祉法人「豊生会」が担い、国や県、市が補助する。

 予期せぬ妊娠や、子育てなどに悩む女性らの相談を電話や交流サイト(SNS)で受け付ける。3階建ての建物には22の個室があり、必要に応じて特定妊婦や母子家庭を受け入れる。利用のハードルを下げ、幅広い層に支援を届けようと、通所も可能とした。

 来夏には、学校や家庭以外の子どもの居場所も別棟に開設する予定。食事を提供するほか、職員や大学生らによる学習支援の実施も検討中だ。

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