処理水放出がアジア大会に影 中国、反日感情の高まりを警戒

杭州アジア大会サッカー女子の準決勝で中国に勝利しタッチを交わす日本イレブン=3日、杭州(共同)

 【杭州共同】8日閉幕の杭州アジア大会を巡り、開催地の中国浙江省では反日感情の高まりを警戒する動きが見られた。開幕約1カ月前の8月下旬に東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まり、日中関係は急速に悪化。競技会場などで日本人選手への声援が減り、大会に影を落とした。

 省都の杭州市では満州事変の発端である柳条湖事件から92年となった9月18日、毎年恒例の追悼のサイレンが鳴らされなかった。反日感情の過熱に当局が配慮したもようだ。交流サイト(SNS)で不満や疑問の声が上がったが、削除された。

 同23日の開会式では日本選手団の入場時、他国の入場時に比べ歓声が明らかに小さかった。

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