自慢の彫刻屋台がずらり 集まった観衆、沿道埋め尽くす 鹿沼秋まつり最終日

多くの観衆でにぎわう市中心部

 【鹿沼】鹿沼秋まつりは最終日の8日、今宮神社例大祭の「御巡幸」や、屋台が市中心部を回る「揃(そろ)い曳(び)き」をはじめとする市民まつりが行われ、終日、多くの人でにぎわった。

 前夜の屋台行事の余韻も覚めやらぬ午前9時、同神社境内に氏子ら約200人が集まり御巡幸に出発。同神社氏子らが白装束などに身を包み、当番組・下組の9会所を回った。

 今回は国学院大観光まちづくり学部の学生が基礎ゼミナールの実習として参加。1年神村優(かみむらゆう)さん(19)は「3時間歩きっぱなしで疲れた。映像で見るよりも勉強になった」と話した。

 昼過ぎに行われた揃い曳きの出発式では、5年ぶりの開催に佐藤信(さとうしん)市長が「皆さんお久しぶりでございます」とあいさつを切り出し、関係者の尽力に感謝。集まった観衆に「祭りをきっかけにこれからも鹿沼に足を運んで」と呼びかけた。

 各町自慢の26台の彫刻屋台は組ごとに市中心部を巡回した後、古峯原宮通りにずらりと並び、屋台を方向転換させる伝統技術「きりん」を一斉に披露した。当番町・蓬莱町が木製の回転台を使った「テコ回し」で回転させると、沿道を埋め尽くした観客から拍手が湧き起こった。

 はやしを競うように鳴らし合う「ぶっつけ」も行われ、最後に東の空に花火が打ち上がり、市制75周年祝いを兼ねた一大祭典が幕を閉じた。

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