チョウ・ユンファ×『イコライザー 』A・フークア監督のハリウッド初進出×映画デビュー作『リプレイスメント・キラー』CS放送中

『リプレイスメント・キラー』© 1998 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

『イコライザー』ついに完結!

「ナメてた相手が殺人マシン」映画ファンの皆さんは、もちろん『イコライザー THE FINAL』はすでに鑑賞済みだろう。デンゼル・ワシントン演じる元CIA工作員マッコールが、街のワルどもを密かに、しかし豪快に成敗するアクション映画シリーズの金字塔が、ついに完結する。

80年代のTVシリーズ『ザ・シークレット・ハンター』をベースに、アントワーン・フークア監督が無骨な“仕置人”的に蘇らせた同シリーズ。日常的なイラつきから裏世界の巨悪まで、研ぎ澄まされた殺しのスキルでもってバッタバッタと倒していくマッコールは、超ストレス社会で生きる人々から拍手喝采を浴び、シリーズ2作は大ヒットを記録した。

フークア監督の「映画デビュー作」は?

そんな超人気シリーズを手掛けてきたアントワーン・フークア監督といえば、デンゼル・ワシントンにアカデミー主演男優賞をもたらした『トレーニング デイ』(2001年)が初期代表作ということになるだろう。しかし、監督の長編映画デビュー作の主演がチョウ・ユンファで、しかも彼のハリウッド進出作ということはあまり知られていないかもしれない。

チョウ・ユンファ主演『リプレイスメント・キラー』

ジョン・ウーが製作総指揮を務めた『リプレイスメント・キラー』(1998年)でチョウ・ユンファが演じるのは、スゴ腕の殺し屋ジョン・リー。彼は麻薬市場を仕切るチャイニーズ・マフィアの首領ウェイから、息子を殺した警官ジーコフ(マイケル・ルーカー)への報復を依頼される。しかし標的はジーコフ自身ではなく、その息子だった。しかもジーコフの目の前で殺害することで、彼に自分と同じ苦しみを味わわせようというのだ。

場数を踏んだアクション映画ファンならば、リーがどんな決断をするのかは察しがつくだろう。その後いろいろあって、彼は偽造パスポート屋のメグ(ミラ・ソルヴィノ)と共に逃亡し、組織と敵対することになるが……というのが『リプレイスメント・キラー』の大まかなあらすじである。

香港アクションをハリウッド流にアレンジした快作

『イコライザー』シリーズでは超リアルな殺しのスキルを散りばめているフークア監督だが、本作におけるユンファの表情や身のこなしを大映しにするコッテリした演出は、香港ノワールへのリスペクトが全開。もちろん激しい銃撃戦も繰り広げられるが、近距離でマシンガンをぶっ放されても主人公たちは被弾しないし、かたやモブたちはどんどん死んでいくというお約束も踏襲している。

とにかくチョウ・ユンファのキメキメぶりが楽しく、なかなか味わえなくなったケレンたっぷりな本作。香港映画ファンでなくとも、銃撃戦メインのアクション映画が好きならばぜひ押さえておきたい、ユンファとフークア両者にとっての記念碑的作品だ。

『イコライザー THE FINAL』は全国公開中

『イコライザー』『イコライザー2』はCS映画専門チャンネル ムービープラス「イコライザー イッキ観!」で2023年10月放送

『リプレイスメント・キラー』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2023年10~11月放送

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