フィリーズ・ターナー「盗塁は簡単になった。リスクはあまりない」

日本時間10月8日、フィリーズはブレーブスとの地区シリーズ第1戦に3対0で勝利した。この試合に「2番・遊撃」でスタメン出場したトレイ・ターナー(フィリーズ)は、攻撃面では8回表にヒットを放って2つの盗塁を決め、二死満塁となったあとに相手捕手の打撃妨害で貴重な追加点となるホームイン。守備面では8回裏一死1・3塁の場面で好守を見せ、チームを救うダブルプレーを完成させた。その活躍を同僚のブランドン・マーシュは「名選手は大舞台で大きな仕事をするんだ。彼が味方で良かったよ」と絶賛していた。

今季のターナーのスタッツを見たときに、目に留まるのはレギュラーシーズンで30個の盗塁を決めている一方で、盗塁失敗が1度もないことだ。盗塁成功率100%の選手がシーズン30盗塁に到達したのはメジャー史上初めてのこと。今季から導入されたベースサイズ拡大や牽制回数制限といった新ルールの恩恵を受けたことは否定できないが、歴史的な快挙だったことは間違いない。

プレーオフでもすでに3試合で4個の盗塁を決めており、あと1つで単年のプレーオフにおける球団記録に並ぶことになる。また、レギュラーシーズンとプレーオフを合計すると、昨季から40連続盗塁成功を継続中。これはフィリーズの先輩であるジミー・ロリンズと並んで1951年以降3位タイの数字であり、これを上回るのはビンス・コールマン(50)とイチロー(45)の2人だけだ。

先週、「今回のプレーオフでは今まで以上に盗塁が増えると思う。(新ルールのおかげで)盗塁はかなり簡単になった」と話していたターナー。「今季はもっと盗塁したかった」とも話したが、強打者ブライス・ハーパーの前を打っているという打順の関係もあり、今季はレッドライト(=走るなというサイン)が多かったのだという。

「僕のうしろをブライスが打っているから、チームは彼に集中して打たせたいのだと思う」とチームの戦略に理解を示したターナーだが、「もっと盗塁できたと思う。グリーンライトが出ていたら盗塁はもっと増えたと思うよ。盗塁は簡単になったし、僕に関して言えば、盗塁することにあまりリスクはない」と盗塁への強い意欲も見せた。ちなみに、プレーオフの最初の3試合で複数盗塁を2度マークしたのは、1999年のリッキー・ヘンダーソン以来の快挙である。

フィリーズのパコ・フィゲロア一塁ベースコーチは「彼はもっと走れると思う。やろうと思えばシーズン100盗塁も可能だろう。彼は走ることが大好きだからね。でも、彼は状況を判断して走るんだ。かつての偉大な盗塁王たちもそうだった。むやみやたらに走ったりはしないんだ」とターナーの盗塁技術を称賛。通算120盗塁企図以上の選手としては歴代4位の盗塁成功率86.1%を誇るターナーの「足」は、今後のプレーオフの戦いでもフィリーズにとって大きな武器となりそうだ。

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