ニデックとEmbraer S.A、eVTOL用電機駆動システム合弁会社の操業開始

Nidec Aerospace の設立は今年6月のパリ航空ショーにて発表した。本合弁事業ではエンブラエル社が eVTOLの制御技術に関する専門知識、ノウハウ、リソース・要員を提供し、ニデックが電動モータに関する専門知識、技術的なノウハウ、リソース・要員を提供、宇宙航空産業向け電機駆動システム (Electric Propulsion Systems:EPS) の開発するという。

https://www.drone.jp/news/2023061814150068199.html

Nidec Aerospace の成長の源泉となるのが、自動化された航空輸送システムであるアーバンエアモビリティ (Urban Air Mobility:UAM) 産業であり、2040年までに1.5兆米ドルの規模に成長するとされる。Nidec Aerospace が製造する電機駆動システムの最初の供給先は、UAM市場において世界的にリードしている独立企業で、電動垂直離着陸機 (eVTOL) メーカーのEve Air Mobilityだ。

Nidec Aerospace社の資本構成はニデックグループ51%、エンブラエルグループ49%であり、2026年までに77.7百万米ドル超を投資し、同年より量産を開始する見込みという。Nidec Aerospaceの最高経営責任者(CEO)にはニデックが米国に本部を構えるMotion & Energy事業本部を構成するMotion and Drives部門よりVincent Braley氏が就任した。

関係者のコメント

Nidec常務執行役員、Motion&Energy事業本部長 Michael Briggs氏

今回の独禁法クリアランス取得は当社とエンブラエル社による合弁事業のみならず、国際間の移動手段の進歩・電動化プロセスにとって重要な布石となります。今後は Nidec Aerospaceのチームが専門知識を結集して迅速に事業活動を推進することで、持続可能な航空事業を世界レベルで加速させていきます。

エンブラエル社、企業戦略・デジタル事業・イノベーション担当シニア・バイス・プレジデント Dimas Tomelin氏

この度、独禁法クリアランスが取得でき操業開始に至ったことに大変うれしく感じております。これから両社の強力な事業推進能力や技術力を融合させて、Nidec Aerospace が市場で確固たる地位を獲得できるよう注力して参ります。両社の協力により素晴らしいチームを築きあげて、先端的なソリューション技術を開発し、持続可能な航空事業の将来に向け、共に歩んで参ります。

合弁会社の概要

▶︎ニデック

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