「怒らないバレー大会」県内初開催 いつも怒っている監督が選手を応援【長野・茅野市】

子どもが何かミスをした時、大人の皆さんはどう指導していますか?監督が怒ってはいけないバレーの大会が県内で初めて開かれました。スポーツに限らず、様々なシーンに通用しそうです

「頑張れよー!子どもたちが見て笑っております(笑)えー、監督いつもと違うって」

7日、茅野市で開かれたバレーボール大会。「たつえクラブ」で小学生を指導する一瀬陽子監督は、普段と様子が違いました。

(Qきょうの監督どうだった?)

■女子児童
「怒らなかった」
■女子児童
「こんなにはやさしくない」

子どもたちいわく「いつも怒っている」という一瀬監督。しかし、この日は…

■たつえクラブ・一瀬陽子 監督
「オッケー!いけるぞー!ナイスカバー!もう1回、もう1回、もう1回!いえーい!」

2015年から全国で開催されている「監督が怒ってはいけない大会」。

■益子直美さん
「試合中のミス。これはチャレンジとみなして怒らないで下さい」

発起人は、元・バレーボール日本代表選手の益子直美さんです。

■益子直美さん
「怒る指導はすごく簡単で即効性があるんですよね。(でも)スポーツの入り口である小学生の環境で、怒りはまだ必要ないと思うんですよね」

■女子児童
「いつもは先生に怒られて悲しいどんよりした感じだけど、きょうは明るい感じで。楽しかったです」

この大会の目的は、子どもたちがスポーツを最大限楽しめるよう指導の現場から暴言・暴力・体罰をなくすことです。

「絶対勝つぞ!おー!」

「KKクラブ」の小松宏監督の場合…

序盤、なかなかレシーブを取れずにいると…
■KKクラブ・小松宏 監督
「かたい!かたい!もっとニコニコしてやってくんねえかな!なんで眉間にしわ寄せてんだよ!」
「次、次、次、次!1本だけ、1本だけ、1本だけだぞ!」

(カメラマン:ちょっとエキサイトしてますね)

「すみません、ごめんなさい!そうでしたね、怒らないようにします!」

カメラマンからの指摘も入ると…どんどん褒めるようになりました。

■KKクラブ・小松宏監督
「(相手から)良いサーブが入る時に、引くとボールがどっかに行っちゃうんだよ。向かっていかないと。手は下じゃなくて前に出すことね。
足をもうちょっと開け。そうしたら(ボールが)上がるぞ」

「はーい!」

「良いね。そういう声をおれはいつも聞きてえ。今みたいな声を。良いね~良いね~」

すると、徐々にレシーブでボールを上げられるように!最後はネットにかけてしまい負けはしましたが…

■KKクラブ・小松宏監督
「OK、OK、良いよ!」

「いえーい」

子どもたちは…

■KKクラブ・女子児童
「楽しかった。負けたけど皆と楽しく出来て良かった」

■KKクラブ・女子児童
「(監督が)ずっと応援してくれるから、こっちも笑顔で頑張らなきゃなって」

一方、監督は…

■KKクラブ・小松宏監督
「なかなか、怒らないというのは難しいことですかね。指導の方法を考えていく良い機会になったかなと思っております」

県内初開催となった「監督が怒ってはいけない大会」。大人が子どもたちから学ぶことは多いようです。

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