栃木県立美術館のシンボルツリー「スズカケノキ」 樹勢の衰えで倒木の危険があるため伐採

 宇都宮市の県立美術館のシンボルツリーとして親しまれてきたスズカケノキが、樹勢の衰えなどで倒木の危険があることから関係者が見守る中、9日に伐採されました。

 樹齢は100年を超え、幹は直径1メートルほど、高さが約15メートルの大きなスズカケノキ。

 元々は4本あり県立美術館のシンボルとして親しまれてきましたが、樹勢の衰えなどで今年(2023年)8月に1本が倒れ、最後の1本となっていました。

 移転整備が検討されている県立美術館が、現在の場所にあるうちは維持する方法も検討されましたが、複数の樹木医から腐って木の形が崩れ倒木の可能性があると診断されたことから、利用者の安全を優先し、伐採することになったということです。

 このスズカケノキは県立美術館が開館する前の施設、児童養護施設「下野三楽園」の中庭に大正時代に植えられたもので、元園長の田村匡彦さんによると、長年、子どもや職員の心の支えだったと言うことです。

 また、県立美術館友の会の原田寛子会長は「県立美術館が開館した50年前のスズカケノキはまだ細かった」と話し、歳月を重ね立派に成長したスズカケノキとの別れを惜しみました。

 県立美術館では、伐採された木を使ってコースターやイスなど記念品の製作を検討しているほか、スズカケノキの根元から生えていたヒコバエは、残せるように切って今後苗木にして育てられるということです。

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