「浅いところで起きると海底に地形の変化を及ぼす」伊豆諸島“マグニチュード5規模”で津波のワケ 40年前にも同様のケースが

10月9日午前5時半前、伊豆諸島の鳥島近海を震源とする地震があり、気象庁は関東地方から九州地方にかけて、太平洋沿岸の広い範囲に津波注意報を発表しました。伊豆諸島で何が起きているのか、専門家に聞きました。

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<気象庁担当者>
「津波を観測中です。海の中や海岸から離れてください」

伊豆諸島から高知県、千葉県、鹿児島県など幅広い地域で発表された津波注意報。また、気象庁は、静岡県内にも「若干の海面変動」の可能性があるとして、津波予報を発表しました。

<滝澤悠希キャスター>
「午前7時の静岡県下田市です。強風の影響で白波が立っています。この奥に伊豆諸島が広がっていますが、津波注意報が発表されています」

午前9時までに、東京・八丈島八重根では60cmの津波を観測したほか、高知県や鹿児島県でも40cmを観測し、幅広い地域に広がりました。

伊豆諸島では、10月5日にも津波注意報が発表されたばかりです。震源地でいったい何が起きたのか、津波工学の専門家に聞きました。

<常葉大学社会環境学部 阿部郁男教授>
「(アメリカの地質調査所によると)9日の津波注意報の対象となった地震がマグニチュード5ぐらい。通常は津波注意報が出るような地震ではない。津波が観測されたことで注意報が発表された」

津波を発生させるには、規模が小さかったという今回の地震。それではなぜ、津波が起きたのか、阿部教授は震源の深さに注目しました。

<常葉大学社会環境学部 阿部郁男教授>
「アメリカの地質調査所の情報によると、震源の深さは1km、ものすごく浅いところで発生した地震。今回のように規模の小さい地震であっても浅いところで起きると海底に地形の変化を及ぼし、津波を引き起こすことは考えられる」

阿部教授によると、約40年前にも鳥島近海では、同じぐらいの規模の地震で津波が発生したことがあるといいます。

気象庁は地震活動は当面続くとみていて、今後も注意が必要だと呼びかけています。

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