「もっとアクションを起こせば より海がきれいになるんじゃないか」“ごみ拾い”専門ダイバーを養成 スクールが開校【SDGs】

合言葉は「もっと伊豆半島をキレイに!」。ごみ問題に特化したダイバーのための短期スクールが開校しました。海の中のごみを安全に拾うテクニックやごみがどうやって海に流れ着くのか、など、環境意識の高いダイバーを育てるのが狙いです。

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「ここは岩場ですね。わかりにくいですけど、正面辺りは砂地です」

プロダイバーの資格を持つ白井ゆみさん。2023年4月、ごみ拾いを専門とするダイバーなどを養成する短期スクール「MORE SCHOOL」を立ち上げました。

「MORE SCHOOL」では、1泊2日で水中でのごみ拾いの方法などを学ぶコースから独自の教材でゴミ問題の現状を自宅で学べるコースまで幅広くあります。

<MORE企画 白井ゆみ代表>
「『きょう、ごみを拾いましょう』というだけだと一過性のモノになってしまうかと思って。なぜ、きょうごみを拾ったのか?ということをちゃんと説明することができる方を育てたいと思って学校にした」

1泊2日の学習コースは、海ではなく、山でのごみ拾いから始まります。

<MORE企画 白井ゆみ代表>
「もとをたどれば、山の中に捨てられたごみが川を流れて、海や街など下流に来ているので、おおもとを伝えるっていうこと。もともと、陸のごみを拾っていて、環境問題は独学で勉強していた。インストラクターやガイドの人たちに、もっとアクションを起こして伝えていけば、より海がきれいになるんじゃないかなと思ったのが(スクールを立ち上げた)きっかけ」

<MORE SCHOOLに参加した土井佑太さん>
「これはさすがにひどいね」

静岡県焼津市を拠点に釣り具などの“海のごみ”の回収をしているダイバー土井佑太さん。「海のごみをどうやったら減らせるのか」と考え、「MORE SCHOOL」に参加しました。

<MORE SCHOOLに参加した土井佑太さん>
「全部下界に流れていると思うと、ぼくらの生活に直結すると思うので、これはやっぱり、本当は行政とか国全体でやっていかなきゃいけないものかなと思いますね」

翌日は、いよいよ海でのごみ拾いを体験します。海の中のごみを拾うには、テクニックが必要だそうです。

<MORE企画 白井ゆみ代表>
「基本的には自分が持っているごみ袋に入る分だけをもってきてもらう。ごみを取捨選択する場合には、環境に悪いものから拾いましょうということを伝えてます。釣り糸を発見したので回収しています。釣り糸を回収するときはたぐり寄せてしまうと、自分の機材に絡んでしまって危ないので。利き手じゃない方の手に巻き付けながら、ピンと張った状態で自分がその根元の方に近づいていくというふうに回収してもらってますね」

<MORE SCHOOLに参加した土井佑太さん>
「水中のごみ拾いは特殊なので、ちゃんと教える人たちが必要だなと思っていて。自分はちょっとそれはなかなか難しいなと思っていた部分をやってもらえるので、非常に期待をしていて。その学校の取り組みなんかも。だからぼくも積極的に協力できる部分も協力できればなと思っています」

<MORE企画 白井ゆみ代表>
「安全にごみ拾いができるダイバーが増えれば、『海がもっときれいになる』ことをキーワードに、学校としては、環境問題に精通していて、かつ、安全にごみ拾いダイビングをできるというダイバーたちをどんどん輩出していきたいなと思います」

「MORE SCHOOL」には、4つのコースがあり、ダイビングの経験者限定の「海と山のコース」や自宅学習とWEB会議システムを使い、ディスカッションしながら環境問題を学ぶ「座学コース」などがあります。

主催するMORE企画は非営利団体で、参加費は諸経費を除き、伊豆半島の自然を守るための活動に充てられるということです。

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