「常にお客さんには人気がある」いま イワシが注目を集める理由 10月4日は「イワシの日」

10月4日は「イワシの日」です。秋の味覚サンマやサバといった、いわゆる青魚が近年、高騰しています。かつては身近だった青魚が手の届きにくい存在になりつつある中、いま、イワシが脚光を浴びています。

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脂の乗ったイワシの刺し身に…、外はサクッ、中はフワフワの竜田揚げ。JR静岡駅で地魚と地酒が楽しめる飲食店ではイワシが人気です。

<大とき 久保田祐右社長>
「元々、大衆魚といわれていたイワシだけど、いまは、値段も張るのもある。味と栄養価が高いということで、常にお客さんには人気がある」

できるだけ、お得によいものを客に届けたいという飲食店にとって、イワシは頼れる存在になっているのです。

<大とき 久保田祐右社長>
「大きいモノは、『サンマに比べてもおいしい』というお客さんもいる」

農林水産省の調査によりますと、サンマやサバの全国の漁獲量は、近年、海水温の上昇や海流の変化などにより減少傾向や不安定ですが、イワシについては増加傾向で、2021年、約64万トンとなっていて、2014年と比べ、約3倍以上増えています。

このような状況に東京に本社を置く水産缶詰メーカーでは、人気のサバ缶ではなく、イワシ缶に力を入れているといいます。

<極洋 食品事業本部 市販食品第二部 鶴岡洋介次長>
「(水産缶詰の場合、水煮とか味噌煮とか醤油味がメインだったのを)トマト味やレモンフレーバーとか、いままでサバ缶でラインナップのあったフレーバーをイワシで増やすことによって、イワシ缶の売り上げの底上げを図ってきた」

同じ青魚で比較してみると、10年前に比べてサンマの価格は7.5倍、サバは1.4倍になっているのに比べ、なんとイワシは2割以上安くなっているのです。イワシの魅力は、その安さだけではありません。

<極洋 食品事業本部 市販食品第二部 鶴岡洋介次長>
「イワシは、実はサバ缶と比較してカルシウムの量は多い。(注目されているDHAやEPAなんかもサバよりも多く)非常に栄養価の高い魚である」

脳や神経の発達に必要とされるDHAや血液や血管の健康維持に重要とされるEPAのほかカルシウムも豊富なイワシ缶は、物価高において家計にも体にもやさしい救世主となっています。

<山本太朗記者>
「あっさりしていて、おいしいですね。水煮だけど、しっかり歯応えも残っていて、噛めば噛むほど、魚の旨味が出てきます」

不漁によって高騰が続く、青魚。サバやサンマを尻目にイワシがさらに台頭する時代が訪れています。

イワシ缶ですが、栄養価が高いとされています。文部科学省によりますと、可食部100g当たりでは、たんぱく質は20.7g。カルシウムは320mg。DHAが1200mg、EPAが1200mgとなっていて、サバ缶に劣らない栄養を接種することができます。

また、最近のイワシ缶は様々な味付けが登場していて、缶詰の汁も使ってパスタと和えるなど「タイパ料理」にも活用できます。さまざまな用途でイワシ缶を使ってみてはいかがでしょうか。

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