【インドネシア】パレスチナとイスラエルは暴力停止を=政府[政治]

インドネシア政府は8日、パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルの衝突を巡り、「パレスチナとイスラエルの紛争激化を深く憂慮している。インドネシアは、さらなる人的被害を避けるため暴力の即時停止を強く求める」との声明を発表した。

その上で、「紛争の根源、すなわちイスラエルによるパレスチナ領域の占領は、国連が合意した条件に従って解決されなければならない」と述べた。

これまでのところハマスとイスラエルの衝突によるインドネシア国民の犠牲者は出ていないとした。ガザに居住するインドネシア国民は13人だという。

一方、インドネシア医療緊急救援委員会 (MER—C)は7日、ガザ地区にあるインドネシア病院がイスラエルにより空爆され、現地スタッフが1人死亡したと発表。同委員会のサルビニ委員長は「病院を標的としたイスラエルの攻撃を非難する」との声明を発した。

インドネシアはこれまで、イスラエルと正式な国交を結んでおらず、パレスチナを支持する立場を取ってきた。インドネシアは、パレスチナが1988年に独立を宣言した後に国家として認めた最初の国の一つ。

またインドネシアでは3月に、国内開催が予定されていた国際サッカー連盟(FIFA)のU—20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)を巡って、外交関係のないイスラエルの参加を拒否する議論が起こった。FIFAは理由を明かしていないが同月末に、インドネシア開催の中止を決定した。一方、6月にサッカーのパレスチナ代表をインドネシアに招いて親善試合を行い、地元メディアは友好関係を強固にしたなどと伝えた。

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