ウインターカップ県予選特集 バスケットボール女子(2) 爆発力発動で一気に頂点を目指す明豊 【大分県】

高校バスケットボールの集大成の舞台である全国高校選手権大会(ウインターカップ)の季節がやってきた。出場権を懸けて戦う県予選は今月22日に始まる。ここでは実力が拮抗(きっこう)する女子のシード4校の現在地を探る。第2回は、着実にステップアップしている明豊。

【チームパラメーター】

オフェンス 8

ディフェンス 7

リバウンド 7

シュート 8

3点シュート 9

高さ 8

先発メンバーに2年生の名前が並ぶ明豊は、着実に力をつけている。6月の県高校総体では自慢の攻撃力で圧倒する試合が多かったが、リズムが崩れると立て直しが効かず、決勝リーグで大分、藤蔭に敗れた。杉山真裕実監督は敗因を「経験の差」としたが、下級生主体のチームにとっては負け試合も成長の糧となっている。

もちろん3年生も黙って見ているわけではない。高校最後の大会に向けて意地がある。3年生主体のチームで臨んだ8月の県私立高校大会では、磨き上げた粘り強い守備を発揮し、5大会ぶりの優勝を飾り存在感を示した。攻撃力のある2年生と守備力の高い3年生、二つのチームを構成できたことで、試合では一気に5人替えができるようになり、戦い方に幅ができたのは大きい。

限られた時間で効果的な練習を意識する

ウインターカップ県予選に向けて好材料ばかりが揃うが、10月に体育館の改修に入ったため、毎日練習場が変わる。最後の総仕上げに不安は残るが、杉山監督は「限られた時間の中で練習することでポイントを絞れている。これまで積み重ねたことを頭で整理する時間が増える」とアクシデントもポジティブに捉えている。

懸案事項の試合運びは、ポイントガードの原田美優(2年)に託されている。鹿児島国体の県選抜チームでも司令塔を務める原田は、場数を踏み、経験値が上がった。戦況を見極め、個性派集団を気持ちよくプレーさせるためのパス回しができるかがカギとなりそう。また、エースの末永瑠奈(同)が、一皮むけて「絶対的な存在」となることも優勝の条件となる。調子の波のある気まぐれさは許されない。末永は「勝負どころで人任せでなく、自分が得点を取る」と自覚が芽生えている。かみ合えば爆発力が期待できるチームだ。一気に頂点に駆け上がる力はある。

ゲームコントロールが求められる原田美優

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS