かごしま国体第2日 長崎県勢、剣道少年女子で準V 4年ぶりの決勝、はじける笑顔

準優勝した剣道少年女子。左上から時計回りに寺川、久田、峯、嵜田(以上島原高)、山浦(西陵高)=霧島市牧園アリーナ

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第2日は8日、鹿児島県内各地で15競技が行われ、長崎県勢は剣道少年女子が準優勝を果たした。8年ぶりの日本一こそ逃したが、4年ぶりに決勝まで勝ち上がった。
 ライフル射撃のビームピストル少年男子でV2が期待されていた内田翼(長崎北高)は6位。ビームピストル少年女子の横川香菜(長崎東高)も6位入賞した。
 3種別で本大会切符を獲得したバレーボール勢はいずれも初戦敗退。少年男子は神奈川に0-2、少年女子は宮城に1-2、成年女子は富山に0-3で敗れた。スポーツクライミング成年女子はリード予選11位で決勝へ進めなかった。
 テニス、ソフトボール、セーリングは悪天候のため順延となった。
 第3日は9日、各地で15競技を実施する。

◎8強止まりの世代 最後に大輪

 全国8強止まりだった世代が、ラストチャンスで大輪の花を咲かせた。剣道少年女子が開催地の鹿児島に敗れたものの、堂々の準優勝を飾った。地元が有利とされている競技で、本数差まで肉薄した決勝。試合後、選手たちは県内外の関係者から「長崎が優勝だよ。おめでとう」と何度も握手を求められた。
 島原高4人に西陵高の山浦を加えた3年生5人の布陣で1回戦、準々決勝を難なく突破。来年の開催地である佐賀との準決勝も、次鋒嵜田と副将久田の白星で逆転勝ちした。4強すべてが九州勢となった中、ブロック1位突破の実力を見せた。
 鹿児島との決勝前、円陣を組んだ5人は「何が起きても受け止めよう。動じずに攻め抜こう」と確認。試合開始の太鼓が鳴ると、怒濤(どとう)の打突を浴びせた。思うように1本をもらえないならば、守る時間を減らせばいい。副将久田までリードを保った。最後は大将寺川の胴に浅く竹刀が当たり、白旗がぎこちなく上がった。
 チームの中心となった島原高は今季、全国大会に4度挑み、すべて準々決勝で惜敗。そのたびに悔し涙を流してきたが、日本一になるという目標はぶれなかった。唯一他校からメンバー入りした山浦が「とにかく前向き。いいチームに入れてもらえた」と言うほどの明るさで、悔しさを一つずつ乗り越えて最後の全国舞台に乗り込んできた。
 島原高の主将で、今回も主将を任された寺川は「最後に一番いい試合ができたんじゃないか。悔いはない」と大きくうなずいた。信じ続けた者が勝つ。悔し涙を流してきた高校生たちが、最後にはじける笑顔で写真に納まった。

※嵜田の嵜は山の下に奇

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