関電、原発内に乾式貯蔵検討 使用済み燃料、全体容量増やさず

資源エネルギー庁と関電の担当者から説明を受ける福井県の中村保博副知事(右)=10日午前、福井県庁

 福井県にある関西電力の原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵を巡り、関電と資源エネルギー庁の担当者が10日、県庁で中村保博副知事に説明した。関電は原発構内に乾式貯蔵施設の設置を検討していると明らかにし、原則、全体の貯蔵容量は増加させないとした。

 関電の使用済み燃料の搬出先は確保されておらず、保管先の原発内の燃料プールは数年で満杯になる。関電は、金属製容器に収納し空気の自然対流で冷却する乾式貯蔵について「搬出するまで安全性の高い方式で保管できる」と強調した。

 関電は同日、県議会の全員協議会でも説明し、中間貯蔵施設の候補地を確保するとしていることについて「特定の地点を想定していない」とした。中国電力は8月、関電と共同で山口県上関町に施設建設に向けた調査を申し入れ、町長が容認した。

 関電は、年末までに中間貯蔵施設の県外候補地を確定すると約束しており、使用済み燃料の一部をフランスへ搬出する計画などについて県が国に回答を求めていた。

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