医者の道より野球を選んだパブロ・ロペス 引退後は大学に通う予定

ツインズのエースとして地区シリーズ第2戦でアストロズを相手に見事なピッチングを見せたパブロ・ロペス。プロ野球選手としてのキャリアは、2012年7月にマリナーズと契約したときにスタートしたが、プロ入りする際、「プロ野球選手か医者か」という難しい二択を迫られた。最終的には父の後押しもあって野球を選び、現在に至っているが、引退後には大学に通うつもりだという。ロペスの人生について、MLB公式サイトのマット・モナガン記者が特集記事を公開している。

ロペスはベネズエラの教育熱心な家庭で育ち、両親は医者だった。16歳でマリナーズと契約したとき、非常に優秀な学生だったロペスのもとには、両親が通っていた大学の医学部に飛び級で入学する話もあった。「自宅は解剖学の本でいっぱいだった。その影響で僕は解剖学が大好きになったんだ」とロペス。父の働く病院で過ごした時間も長く、「いつも父のようになりたいと思っていた。彼は素晴らしい仕事をしていたからね」と当時のことを振り返る。

スペイン語、英語、ポルトガル語、イタリア語の4ヶ国語を学ぶなど、非常に優秀な学生だったロペスだが、父は野球が好きで、ロペスは幼いころから野球が得意だった。「ベネズエラの子供はみんなヨハン・サンタナのファンとして育つんだ。子供のころ、ツインズのユニフォームを着た彼の姿を見たことを鮮明に覚えているよ」とロペス。父と同じ医者の道を歩むものだと信じていたが、マリナーズからプロ契約のオファーが舞い込み、ロペスは16歳にして人生を大きく左右する難しい決断を強いられることになった。

父に助言を求めると、父は「これは自分で決めることだ」と言いつつも「野球を選んで、上手くいかなかったとしても、そのあと大学に通うことはできる。でも、もし大学を選んで、それが気に入らなかった場合、そこから野球を再開するのは難しいかもしれない」とアドバイスをくれた。これが後押しとなり、ロペスは野球を選んだのだ。「野球を選んだとき、祖母はあまり喜んでくれなかった」と笑うロペスだが、現在に至るまでの活躍で自分の選択が正しかったことを証明している。

母はロペスが11歳のときに亡くなり、父も2020年に心臓発作でこの世を去った。ロペスは父がくれた助言を尊重し、自分自身の希望もあり、引退後は大学に通うつもりだという。必ずしも医者になるわけではないが、健康やスポーツに関係する何か、あるいは栄養学のようなものを学ぶのかもしれない。医者になる可能性もあったエリート右腕は、父の思いも背負ってマウンドに立ち続けている。

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