【ヘラート共同】地震で壊滅した村は、日干しれんがと泥でできた家のがれきが重なって茶色い荒野と化していた。「もうこれ以上、生きたくない」。妻子を失った男性が空を見上げた。7日に起きたマグニチュード(M)6.3の2回の地震で2400人以上が死亡したアフガニスタン西部ヘラートの被災地に、共同通信記者が10日、日本メディアで初めて入った。最愛の人を亡くした人々が砂ぼこりの中で放心状態で立ち尽くしていた。
州都ヘラートから車で1時間半。未舗装のでこぼこ道を進むと突然、がれきの山が視界に入ってきた。最も被害の大きい場所の一つ、計約2千人が暮らすナヤブラフィ村。「経験したことのない強い揺れだった」。部族長のアブドルハミドさん(55)が振り返った。
7日昼前、村の外れで井戸掘りをしていた。地震後に慌てて戻ると「村がなくなっていた」。約660あった家屋全てが全壊、約800人が死亡した。日干しれんがと泥でできた家はもろく、被害が拡大した。
13人家族のアブドルハミドさん。息子3人が崩れた屋根の下敷きとなり亡くなった。