与野党幹部 初日から応酬 党の威信かけた戦いに 衆院長崎4区補選

 与野党一騎打ちとなった衆院長崎4区補選は、候補者を擁立した立憲民主、自民ともに10日の告示日から党幹部を佐世保市中心部につぎ込んだ。「絶対に負けられない戦い」。長崎県で1998年以来、25年ぶりとなる補選は、両党の威信をかけた戦いに突入した。
 「ただいま代表が到着しました」。出陣式直前、アナウンスが同市島瀬公園に響くと、集まった聴衆から拍手が湧いた。立憲民主前職、末次精一候補の応援で9日から佐世保入りしていた泉健太党代表は、車から降りると、集まった聴衆と次々握手。「車で回ってみて反応はすごく良い」。自信ありげな表情を見せた。
 ひとたび演説のマイクを握ると約6分間、岸田政権批判を展開。相手候補を意識し「2世、3世ばかりではない政治をつくろう」と呼びかけると、会場から「そうだ、そうだ」と合いの手が入った。
 その数時間前。同じ島瀬公園であった自民新人、金子容三候補の出陣式。茂木敏充党幹事長もにこやかな表情で会場に降り立ち、支援者と握手したり談笑したりした。それがスーツを脱ぎ、腕まくりしてマイクを握ると表情が一変。会場からは歓声が上がった。
 語ったのは政権が進める経済政策や同市に関係が深い防衛力強化の必要性。「安全保障の問題、経済の立て直しなどさまざまな課題に対応するには政権の安定が必要不可欠。反対、反対と言っていても日本は良くならない」。野党の姿勢をばっさりと切り捨てた。
 今回の衆院補選。有権者からは物価高への対応を求める声が相次ぐ。西海市西海町のグループホーム管理者、谷上拓弥さん(35)は「いろんなものが値上がりし、自分たちの努力だけではどうにもならないところに来ている」と語る。平戸市宮の町の生花店経営、林浩司さん(59)は「燃油も高騰し、まずは経済対策を求めたい」と話した。

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