ブリヂストン、ピレリのF1独占タイヤサプライヤー選出にコメント「パッションを絶やすことなくMSの発展に貢献」

 F1世界選手権が10月10日に発表した2027年までのピレリ独占タイヤサプライヤーおよびグローバルタイヤパートナーへの選出。この決定に関し、日本のタイヤメーカーであるブリヂストンが『FIAおよびFOGの発表を受けてのコメント』と題したニュースリリースを発行し、石橋秀一グローバルCEOのコメントを発表した。

 2023年夏前に行われていたF1の次期タイヤサプライヤー選定に関しては、公式発表こそ行われていないものの、入札したメーカーはピレリとブリヂストンだと言われていた。ピレリは2011年から現在までF1にタイヤを独占供給しており、対するブリヂストンは1997年からF1に参戦。2007年からのワンメイク供給を経て、2010年に参戦を終了している。

 日本のブリヂストンが名乗りを上げたことで注目を集めたF1の次期タイヤサプライヤー選定。しかし10月10日、FIA国際自動車連盟およびFOG(フォーミュラ・ワン・グループ)はピレリを2027年までの独占タイヤサプライヤーおよびグローバルタイヤパートナーに選出したことを発表した。

 この決定を受けてブリヂストンはニュースリリースを発行し、同社におけるF1への認識やモータースポーツ活動、『FIAやFOGと継続した緊密なコミュニケーションを実施』したというF1次期タイヤサプライヤー選定への入札について、そして石橋グローバルCEOのコメントを発表した。全文は以下のとおり。

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FIAおよびFOGの発表を受けてのコメント

‐サステナブルなグローバルプレミアムモータースポーツの強化へ向けて‐

 ブリヂストンは、2023年10月10日に発信されたFIAおよびFOGニュースリリースを受けて、下記のコメントを発表します。

 ブリヂストンは、タイヤメーカーの『原点』として、モータースポーツ活動を推進しています。『タイヤは生命を乗せている』を大原則に、クルマ・ドライバーが極限の状態で挑戦を繰り返すレースにおいて安心・安全を守り続け、モータースポーツ活動を通じて、モビリティの進化を足元から支えています。2023年には、ブリヂストンモータースポーツ活動60周年を迎えました。今後に向けても、モータースポーツ活動を強化し、サステナビリティを中核に据えた『サステナブルなグローバルプレミアムモータースポーツ』として進化させていきます。

 FIAフォーミュラ・ワン世界選手権(以下、F1)はグローバルなモータースポーツの最高峰として素晴らしいプラットフォームと認識しており、『サステナブルなグローバルプレミアムモータースポーツ活動』を推進していくにあたり、さまざまな可能性のひとつとして検討を進めていました。今年実施された次期タイヤサプライヤー選定への入札に関しては、真摯にFIAやFOGと継続した緊密なコミュニケーションを実施し、当社の先進的なサステナビリティへの取り組みや技術イノベーションを反映した提案をさせて頂きました。

株式会社ブリヂストン グローバルCEO 石橋秀一のコメント

「ブリヂストンにとって、モータースポーツは『極限への挑戦』であり、『最高の品質で社会に貢献』という私たちの使命や、そこにある誇りや情熱を裏付けるものです。これまで60年間の挑戦のなかで、技術開発力、生産供給力、ブランド力、人材育成を磨き続け、グローバルにプレミアムタイヤビジネスを展開する基盤を築いてきました。本年3月10日に実施したモータースポーツ発表会においても、『原点』へ立ち戻り、再度、グローバルモータースポーツというジャーニーに足を踏み出すことをお伝えしています」

「今回の応札では、F1に携わることは実現しませんでしたが、求められるレースコンディションに合わせ『究極のカスタマイズ』を実現するENLITEN(エンライトン)技術を含めた当社の技術優位性や、バリューチェーン全体におけるサステナビリティの取り組みはFIAやFOGからも高く評価されたものと認識しています」

「ブリヂストンは、今後もサステナブルなグローバルプレミアムモータースポーツ活動を推進し、『走る実験室』として技術イノベーションを加速させるとともに、ブランド力の強化を目指します。そして、企業コミットメント『Bridgestone E8 Commitment』にて『Emotion 心動かすモビリティ体験を支えることにコミットする』と掲げたとおり、モータースポーツを愛する仲間たちとともにモータースポーツを楽しみ、感動を共有しながら、パッションを絶やすことなくモータースポーツ文化の発展に貢献してまいります」

2010年までF1に参戦していたブリヂストン

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