中国で拘束の豪記者3年ぶり解放 関係修復進み、交渉進展

オーストラリア人ジャーナリストのチェン・レイさん=2020年8月、北京(AP=共同)

 【シドニー、北京共同】オーストラリアのアルバニージー首相は11日、中国で拘束されていたオーストラリア人ジャーナリストで中国のテレビキャスターを務めていたチェン・レイさん(48)が約3年ぶりに解放され、帰国したと発表した。チェンさんはこの日、メルボルンの空港に到着し、子ども2人ら家族と再会した。

 中国国家安全省は、チェンさんが懲役2年11月の刑期を終えたため11日に国外退去させたと発表した。昨年5月の政権交代で誕生したアルバニージー労働党政権は中国との関係修復に乗り出し、石炭や大麦など貿易制限の多くが撤廃された。チェンさん解放も交渉を進めていた。年内に中国を公式訪問し、習近平国家主席と会談する予定だ。

 アルバニージー氏は記者団に「政府が長期間にわたり(解放を)求めてきた結果だ」と話した。

 中国外務省の汪文斌副報道局長は11日の記者会見で「オーストラリアとの健全で安定した関係は両国民の利益に合致し、地域の平和と安定にも有益だ。関係改善を進めたい」と述べた。

オーストラリアに帰国し、メルボルンの空港で電話をかけるチェン・レイさん=11日(オーストラリア外務貿易省、AAP通信提供・ロイター=共同)

© 一般社団法人共同通信社