突然、家に訪問し「ずれた屋根瓦を点検してあげる」…高額工事契約させる点検商法の手口

 国民生活センターは10月11日、住宅を突然訪問して無料で屋根瓦を点検した後に不安をあおって工事の契約をするといった屋根工事の「点検商法」が増加しているとして、注意を呼びかけた。2022年度の相談件数は過去5年で最多。

 「近所で行う工事の挨拶に来た」などと言って突然訪問し、「屋根瓦がずれているため点検してあげる」と言って点検した後、「このままだと瓦が飛んでご近所に迷惑がかかる」などと不安をあおって工事の契約をする手口。悪質な業者は巧妙なトークで消費者に近づき、本来消費者が望んでいない高額の屋根工事を契約させるという。

 センターによると、22年度の相談は18年度比約3倍の2885件で、契約当事者の約8割が60歳以上。担当者は「すぐに契約せず十分に検討して」と話している。

 23年8月にあった相談では、隣家の新築工事をしているという業者が60代の男性宅を訪問。「屋根が剥がれそうなので、ついでに直す」などと言われたが断った。後に確認すると、業者は隣家と無関係だと分かった。

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 センターは「無料と言われても安易に点検を依頼しないように」と注意を促した。

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