「言うことはない」ラ・リーガ日本人初の月間MVPを語る久保建英、「正直キツい」と語る体でも結果を誓う「代表の活動でも結果を出していければ」

日本代表のMF久保建英(レアル・ソシエダ)[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

日本代表のMF久保建英(レアル・ソシエダ)が、今シーズンの好調ぶりを振り返るとともに、日本代表活動についても言及した。

11日、日本代表はトレーニングキャンプ3日目を迎えた。この日に全員が合流した中、追加招集で日本代表初選出を受けたMF奥抜侃志(ニュルンベルク)は体調不良により欠席。また、DF伊藤洋輝(シュツットガルト)は腰痛のために別メニューとなった。

冒頭15分の公開の予定だったトレーニングだが、森保一監督の計らいにより公開時間が延長。両サイドからのクロスや崩しでのシュート練習まで公開された中、GK前川黛也(ヴィッセル神戸)も途中でトレーニングを離れた。

トレーニング後、メディアの取材に応じた久保。9月には日本人初となるラ・リーガの月間MVPを受賞。5試合中4試合に出場し4ゴールを記録するなど、好調を維持して日本に帰ってきた。

月間MVPについては「言うことはないです。僕からは」とコメント。「楽しいですし、充実しています」とクラブでのパフォーマンスは充実しているようだ。

その久保だが、9月の欧州遠征も含め、チャンピオンズリーグ(CL)も戦っている関係上、連戦が続いている。

「代表はありましたし、キツいですけどなんとか戻ってきたと言う感じです」と語り、体は正直なところ厳しいという。

「正直キツいです。日本で待ってくれている方、新潟はチケットも完売だと聞いていますし、そういった人たちのために試合ができることは幸せですけど、キツさがあるのも事実です」

「僕だけじゃないですし、今回の代表であれば菅原選手は僕よりも試合に出ていると思いますが、文句も言わずに代表のためにと帰って来ているので、そう言うところもファンの皆さんには頭の片隅に置いていただければ、より代表戦も楽しめると思います」

連戦、長距離移動を含めて、代表の試合を楽しんでもらいたいという久保。ただ、自身が残して来た結果には自信を持っているようだ。

「結果をそこで示しているからこそのみんなの期待だと思うので、代表の活動でも結果を出していければと思います」

ソシエダにとっても重要な選手である久保は、相手監督からも名指しで警戒されるように。直近のアトレティコ・マドリー戦を振り返り、難しかったと明かした。

「監督によっては凄く感じます。チームとして良いサッカーをしている中で、この前のアトレティコ・マドリー戦は、僕のプレーも良くなかったんで一旦置いておいて、チームとしてもサイドのところに1人、2人、3人と包囲網を敷いて来ました」
「その中でもやれる自信はありましたが、アトレティコ戦は完敗でした」

マッチアップする相手も各国代表クラブの選手に。久保は、「それこそ、何回か前の活動で森保監督が言っていた個の成長だと思うので、僕が右で、中村選手や奥抜選手がサイドで2枚引きつけられたら中は楽だと思うので、前線の選手はそういった領域に早く到達することが日本が強くなることに繋がると思います」と、攻撃の選手がいち早く高いレベルにいくことが大事だと語った。

その久保は、チャンピオンズリーグ(CL)でもデビュー。アシストを記録して勝利に貢献した。

実際に舞台に立ってみての感想は「楽しいです」とのこと。「手応えというか、もともとやれないとは思っていなかったので、やっと舞台を用意してもらったというか。チームのおかげでもありますけど、自分の力で掴み取ったものでもあるので、特に誰かに気を使うことなく伸び伸びやれています」と、やっと立てた大舞台でのプレーを楽しんでいるという。
また「強度は高いですし、気持ちの入りも違います」と語り、「親善試合をやるのと、同じ相手とワールドカップでやるのは強度が違うのと同じです。CLという舞台が強度を高くしていると思います」と、相手もCLの舞台ということでより手強くなっているという。

久保はCLについて「美味しいご飯を食べた時と一緒で」と語り、「一回食べてしまったらやめられないというか。来季もCLに出られるようにしたいと思います」と、その舞台には何度も立ちたいという意欲を見せた。

日本代表は11月に北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選がスタートする。10月の活動は、その前の大事なテストの場となるが、久保は「どういったメンバーになるか分からないですし、自分が出るかどうかも分からないですけど、出た時には出たメンバーと僕の特徴はみんなわかっていると思いますけど、今度は僕がみんなの特徴を理解するところに来ていると思うので、生かしてもらうだけじゃなく、周りを生かせるレベルにあると思うので、僕も出していければと思います」と語り、今度は自分が味方の特徴を引き出せるプレーをしたいと語った。

9月はドイツ代表、トルコ代表に連勝しており、カナダ代表とチュニジア代表にも連勝したいところ。「勝つに越したことはないです」と久保は語り、「FIFAランキングも上がるし、強くなれるし、まずは結果を残すことが大事。2次予選も勝って当たり前だと思いますけど、今回の相手でも勝って当たり前というレベルにならないと、みんな盛り上がってくれないと思うので、結果にこだわってやっていくのがベストかなと思います」と、アジアだけでなく、世界と渡り合う上では勝利できるという相手を増やしていくことも大事だとした。

1月にはアジアカップも待っているが、ソシエダにとってはリーグ戦真っ只中。「まだメンバーもわからないですし、どうなるかわからないですけど…」と語る久保は、「選ばれればチームのシーズン中に抜けるので、正直痛いです」と率直な感想を吐露。「そういった意味で、それを抜けてまで代表のためにという意味では優勝しないと何しに行ったんだとチームメイトにも言われると思いますし、選ばれた暁には、そういった思いで参加したいと思います」と、自身が選出されれば、しっかりと優勝という結果を持ち帰りたいとした。

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