自民・萩生田氏、蔡総統と会談 台湾重視の安倍氏遺志継ぐ

 【台北共同】自民党の萩生田光一政調会長は11日、訪問先の台湾で蔡英文総統と会談した。台湾への軍事的圧力を強める中国を念頭に、力による現状変更はあってはならないとの認識で一致した。両氏は昨年12月にも会談している。萩生田氏は日台関係を重視した故安倍晋三元首相の最側近として、要人との会談を重ねることで遺志を受け継ぐ姿勢を示す狙いがあるとみられる。

 蔡氏は会談で、萩生田氏の再訪を歓迎し「台湾の良き友人だ」と伝えた。日台関係に関し「地域の平和と繁栄に貢献することを期待している」と強調。萩生田氏は「台湾は日本にとって基本的価値を共有し、緊密な経済関係を有する極めて重要なパートナーだ」と応じた。

 両氏は、経済的威圧に連携して対処していく方針を確認。蔡氏は半導体の世界大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出に関し「日本政府を挙げて、さまざまな支援をしてもらっている」と謝意を示した。

 会談に先立ち萩生田氏は台湾南部・高雄市の大学で講演し、経済力を背景に輸出禁止措置などに踏み切る中国をけん制した。

© 一般社団法人共同通信社