長崎バスが16路線を廃止 来年3月末、人手不足など理由 同社最大の規模

来年3月末で廃止される路線バス=長崎市見崎町

 長崎自動車(長崎県長崎市、長崎バス)は11日、同市と近郊の16路線の一部区間(距離計23.41キロ)と32停留所を来年3月末で廃止すると発表した。慢性的な運転手不足に、来年度からの時間外労働の上限規制も踏まえ、現行ダイヤの維持が難しいと判断した。同社としては最大規模の路線廃止となる。
 廃止するのは式見経由桜の里線の畝刈-大見崎-相川区間(距離5.9キロ)と式見-手熊区間(同1.3キロ)、岬木場(野母崎)線の岬木場-諸町区間(同5.1キロ)、岬木場(川原)線の川原公園前-岬木場区間(同4.9キロ)など。長崎大学病院構内に入る「元気くん」などのミニバスも含まれる。
 同社によると、廃止区間は利用者が少なく、代替の交通手段が確保できる区間を中心に選定した。廃止する停留所のほとんどは、平日1便当たりの利用者が1人以下にとどまる。7月以降、沿線の地元自治会に経緯を説明。九州運輸局に事業計画変更を届け出た。
 同社は、運転手らの新型コロナウイルス感染者増加をきっかけに昨年12月から路線バスを減便。今年5月のダイヤ改正で通常運行を再開したが、運転手不足は解消されていない。来年4月からは自動車運転業務の時間外労働に新たな上限規制が適用され、人手不足が加速する恐れがある。利用者数もコロナ禍前の8割程度の回復にとどまっており、大幅な路線の見直しを余儀なくされた。

長崎バスの廃止路線(区間)2024年4月以降

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