青森・板柳町議、町職員にセクハラ 議長が厳重注意 別の議員はパワハラ認定

「反省し、今後は言動を改める」と東奥日報の取材に語る佐藤議員

 板柳町議会の佐藤洋治議長は11日、複数の町職員にセクハラ行為をしたとして佐藤文俊議員(62)を厳重注意した。一方、セクハラ被害を受けた職員に対して「(被害を)新聞社に知らせた方がいい」と発言した別の町議について、パワハラに当たると認め、同じく厳重注意とした。

 議会事務局によると、行為の悪質性の違いなどから佐藤議員が実名、パワハラをした議員は匿名での公表となった。

 町によると、本年度に入り、佐藤議員がセクハラをしているとの情報があり、職員への聴き取りを開始。町は、佐藤議員が数年前から複数の女性職員に対し、職員の職場で体を触ったり、性的な言葉をかけたりするセクハラ行為があったと認定した。今月4日、葛西健人町長名の報告書を佐藤議長に提出した。

 佐藤議員は11日の東奥日報の取材に性的な言葉をかけたことを認め「反省している」とした上で「キスやハグなどを強要したことはない。よく手を握るが、久しぶりに会った職員とのコミュニケーションのつもりだった。嫌な思いをさせたのであれば申し訳ない。今後は言動を改める」と語った。

 パワハラが認定された議員は取材に対し「(被害者を)助けようという思いだった。パワハラと受け取られたのは残念」と語った。

 同町議会が今年9月に制定したハラスメント防止条例では、町長などから議員によるハラスメントがあった事実が報告された際、議長は「議会運営委員会の意見を聴き、当該ハラスメントを行った議員の氏名の公表その他必要な措置を講じなければならない」と明記している。佐藤議長は条例にのっとり、11日に議運委から意見を聴取。該当の両議員から話を聴き、セクハラとパワハラがあったと結論づけた。

 佐藤議長は取材に「被害者、町民に議員を代表しておわび申し上げる」と述べ、再発防止へ議員対象の研修会を実施する考えを示した。

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