藤田さいきの“ロッシー”は超カスタム「英莉花ちゃんにあやかって…」

練習グリーンでネックをカスタムしたパターを打つ(撮影/服部謙二郎)

◇国内女子◇富士通レディース 事前(12日)◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679yd(パー72)

練習グリーンで藤田さいきのパターを見ていると、何か違和感。アレ?「オデッセイ ホワイトホットOGロッシー」のショートネックを使っていたはずだが、何だか長いネックのパターを使っているではないか。どこかで見たような…。

そうだ、「日本女子オープン」で優勝した原英莉花が同じモデルのロッシーで、こんなロングネックのパターを使っていたような…? 同じようにクランクネックで、クランクまでのネックが長いカスタム仕様? そしてホワイトホットのインサートもよーく見ると、ヒール側のオデッセイの赤いロゴ、デカくない? といろんな「?マーク」が頭に浮かんだ。

ホワイトホットOGロッシーのスーパーカスタム(撮影/服部謙二郎)

疑問を藤田にぶつけてみると、「このネックは(原)英莉花ちゃんがやっていたんで、一緒がいいなと思って。新鮮でいいでしょ?」と気分転換の意味合いもあって、今週ネックを替えてもらったとか。「見え方もいいし、意外と構えやすい。何より新鮮でいいです」。原は長いクランクネックにすることで、「フェースバランス(ヘッドの開閉が少ない)になりやすい」とその効果を語っていたが、藤田もその機能的な恩恵を狙っての改造か。

キャロウェイのパター担当者によると、特注のインサートは薄くして中にプレートを入れることで硬さを出しているとか。「初代のホワイトホットなど昔のモデルは、現行モデルのインサートより打感、打音も硬めでそれに近いかもしれません」(同担当)。昔のホワイトホットに慣れ親しんだ藤田にとっては、その少し“カチッ”とした音が耳になじみ、距離感につながっているのだろう。

新しいツアーBXボールを今週投入予定(撮影/服部謙二郎)

カスタム箇所はまだあった。パターを撮影していると、シャフトに何やらスリットが入っているではないか。稲見萌寧や申ジエが使っているテーラーのパターの「フルーテッドフィールシャフト」と同じように見えるが…。

「いろいろといじって、最初はストロークラボシャフトに始まり、普通のスチールシャフトも試したりして、最終的にこのシャフトにいきつきました」(同担当)。その狙いはシャフト自体の軽さ。グリップ側を重くし、ヘッドは元々重いので、真ん中のシャフト部分だけ軽く、バランスが出てクラブ自体の慣性モーメントが高いのだとか。こうしたスリット入りのシャフトは、昔のパターには入っていたというから、こちらにも慣れ親しんでいたのかもしれない。

「私のパター、ガワ(外見)は最先端、中身はレトロでしょ?」とおどける。ちなみに今週、ボールもブリヂストンの新しいボールにスイッチする予定で、練習グリーンでは新しい「ツアーB X」を転がしていた。昨年は「エリエールレディス」で11年ぶりの復活優勝を果たした藤田。その11年前に勝った試合が「富士通レディース」だった。(千葉市緑区/服部謙二郎)

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