古代の種子島、わざと頭を変形 国内初確認、「謎の集団」

3Dスキャンした頭蓋骨。上が山口県西部で見つかった弥生人の頭蓋骨、下が広田遺跡で見つかった頭蓋骨。広田遺跡のものは後頭部が平たい(九州大の瀬口准教授提供)

 鹿児島県の種子島にある弥生時代末期―古墳時代前半ごろの集団墓地「広田遺跡」で発掘された人骨を分析した結果、頭蓋骨の後頭部が平たくなるように意図的に変形させていた痕跡が見つかったと、九州大のチームが12日までに発表した。これらの人々は、ルーツが不明で農耕をしていた痕跡がなく、生活や文化が当時の日本列島の他の地域と異なる「謎の集団」とされる。

 以前から頭蓋骨を変形させていた可能性は指摘されていたが、確証は得られていなかった。頭蓋骨を意図的に変形させる風習は、中南米や欧州に存在していたことが知られている。日本の古代社会に同様の風習があったと確認したのは初めて。

 チームは広田遺跡から発掘された人骨19体を解析。頭蓋骨を3Dスキャンしてコンピューター上に立体的な姿を再現し、九州の縄文人や山口県西部で見つかった弥生人の頭蓋骨と比べた。

 その結果、広田遺跡の頭蓋骨は後頭部が平たく、何かを当てて押さえつけた結果できたようなくぼみがあった。中南米の意図的に変形させた頭蓋骨と似た特徴だという。

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