イスラエル、ガザ侵攻へ戦時内閣 米長官訪問、人道回廊設置協議か

12日、記者団に話すブリンケン米国務長官(左)とイスラエルのネタニヤフ首相=テルアビブ(AP=共同)

 【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は11日、野党党首のガンツ前国防相と戦時下の挙国一致内閣の樹立で合意した。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの掃討に集中し地上侵攻の準備を進める。ブリンケン米国務長官は12日、イスラエルを訪れ、ネタニヤフ氏と会談した。ガザは「完全封鎖」で人道危機が懸念され、市民退避や物資供給のための「人道回廊」設置などを協議したとみられる。

 12日までの死者は、ガザ保健当局によるとパレスチナ側が1417人。イスラエルメディアは同国側の死者が1300人に達したと伝え、計2700人以上となった。

 ブリンケン氏はネタニヤフ氏と会談後、記者団に対し、ハマスと戦うイスラエルへの全面支持を表明。同時に民間人被害を避けるよう努める重要性を強調した。

 イスラエルメディアによると、挙国一致内閣は12日に国会で承認。ネタニヤフ氏とガンツ氏は戦争遂行に関係のない法律や政府決定の議論は進めないことでも合意した。

12日、イスラエル軍の攻撃を受け、爆発する集合住宅=パレスチナ自治区ガザ市(ゲッティ=共同)
イスラエル軍の空爆を受け、パレスチナ自治区ガザ南部ラファから上がる煙=12日(AP=共同)
12日、イスラエル・テルアビブの空港に到着したブリンケン米国務長官(左)(AP=共同)

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