日本と戦うカナダ代表、たぶん誰も知らないユニフォーム“こぼれ話”「W杯なのに新作ユニなし」「完全に女子優遇」

13日(金)に新潟のデンカビッグスワンスタジアムで日本と対戦する対カナダ代表。

ここでは、そのカナダの過去のユニフォームのトリビア的なこぼれ話をご紹介しよう。試合観戦の“肴”になれば幸いである。

エンブレムが消えた

カナダ代表 1996 Umbro ホーム ユニフォーム

カナダは1995年までアメリカのブランドScoreと契約していたが、96年からUmbroに変更。その最初のユニフォームが白い襟付きの一着だが、なんとエンブレムが消えていた。ちなみにカナダは80年代から胸にエンブレムを付けている。

この画像は1996年1月12日に行われた北中米王者を決めるゴールドカップでの1枚。招待国ブラジル(この大会ではU―23チームを派遣)との一戦なのだが、本来胸部中央に付くはずのエンブレムが全選手のユニフォームから消えている。

カナダは同年5月には別のユニフォームの着用を開始しており、この襟付きはごくわずかな期間のみの使用だったと思われる。1月はサプライヤー変更直後の時期だが、何らかの事情でエンブレムが間に合わなかったのだろうか。

90年代にいち早く黒ユニを着ていた

カナダ代表 1997 Umbro サード ユニフォーム

現在では特別珍しくもない黒のユニフォームだが、この色が一般的に使われ始めたのは2000年以降と言ってよいだろう。だがカナダは1997年のサードモデルでいち早く黒を採用していた。

当時は黒というとレフェリージャージかGKユニフォームという認識が強く、フィールドプレーヤーのユニフォームではほとんど見ない色。そんな時代だった。

しかもこれが格好よいデザイン。袖に「CANADA」を連打するスタイルもユニークだ。

伝説「カエデの葉ユニ」が存在する

カナダ代表 1998 Umbro ホーム ユニフォーム

カナダの90年代最後を飾るユニフォームは、ほとんど国旗のようなデザインが登場した。

しかも胸番号と背番号のスペースには、国旗に描かれているメープルリーフ(カエデの葉)のデザインを採用。マニアの間では伝説のユニフォームと称賛されている。96年~97年のユニフォームにもカエデの葉を描いていたが、こちらの方がインパクトは強い。

この画像は98年の女子ワールドカップ予選でのもの。当時のカエデの葉ユニフォームで掲載可能な写真はこの1枚しかない。なお、ユニフォームは男女どちらも同じデザインを使用している。

36年ぶりW杯出場!でも新作ユニは無し

カナダ代表 2021 Nike ホーム ユニフォーム

2022年に開催されたカタールW杯。カナダはこの大会に1986年メキシコW杯以来となる出場を果たした。実に9大会・36年ぶりの快挙である。2019年からのサプライヤーNikeもさぞかし大喜びだったに違いない。

普通であればW杯に向けて新しいユニフォームが登場し、選手もサポーターもテンションが一気に高まるところ。とくに選手は気合も入ることだろう。

だが、カナダは新しいユニフォームを作ってもらえなかった。なんと予選と同じデザインで本大会に臨んだのだ。

画像上段はW杯出場を決めたジャマイカ戦で、下段はカタールW杯でのもの。どちらも同じユニフォームである。

この理由についてNikeは9月の各国ユニフォーム発表の際に、“カナダはキット開発サイクルが異なるため新作なし”と説明している。だが36年ぶりのW杯出場なのだから新ユニフォームを用意してもよかったのではないだろうか。

女子はW杯用にあっさりと新作を作ってもらえた

カナダ女子代表 2023 Nike ホーム ユニフォーム

男子代表チームは36年ぶりのW杯を予選と同じユニフォームで戦ったが、女子代表は2023年のW杯に向けて完全新作が登場。カエデの葉を描くデザインの素晴らしさが絶賛された。

しかし、男子とのこの扱いの差は一体何なのだろうか。

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女子は前モデルにあたる2021モデルでもオリジナルデザインのユニフォームを提供されている。テンプレートシャツを使う男子との差は明らかなのだ。

女子はW杯に第2回大会から8大会連続出場中で、立派な強豪国。理由があるとすれば、それそれの世界での「格の違い」ということなのだろうか。

男子にも完全新作のオリジナルデザインが登場する日を願うばかりである。

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