最高から最悪まで、今季も様々なデザインが登場したサッカーユニフォーム。
ここでは思わず息を飲むほど美しい5つのユニフォームをご紹介しよう。選定には異論反論もあると思うが、主観的なものなのでご容赦いただきたい。
アテネ・カリテア
アテネ・カリテア 2023-24 Kappa アウェイ ユニフォーム
ギリシャ2部リーグを戦うアテネ・カリテアのアウェイユニフォーム。
今季のユニフォームはホームからサードまでそれも美しいが、あえて一つを選ぶならゴールドのサブカラーに気品あるピンストライプが美しいアウェイだろうか。
胸にはスポンサー「アテネ国立現代美術館」のワードマーク(文字のみの企業ロゴマーク)である“ΕΜΣΤ”を掲出。このロゴデザインもユニフォームを印象深いものとしている。
カリテアは昨季リブランディングを実施し、エンブレムとユニフォームのデザインを大胆に変更。その“仕掛け人”はイタリアのヴェネツィアでリブランディングを成功させたテッド・フィリパコス氏(現クラブ会長)だ。
ユニフォームデザインは22-23シーズンから、ドイツのグラフィックデザインスタジオ「Bureau Borsche(ビューロー・ボルシェ)」が担当する。
フィオレンティーナ
フィオレンティーナ 2023-24 Kappa ホーム ユニフォーム
予想を超える美しいデザインを投入し、世界中のユニフォームファンに絶賛されたホームユニフォーム。
伝統のパープル(ヴィオラ)を基調に、ユリの花のグラフィックを斜めストライプ的にあしらう斬新なスタイルだ。
ユリの花はホームタウンのフィレンツェの紋章に描かれているものであり、チームの象徴。トーン・オブ・トーンのスタイルでホームキットを華やかに飾る。
パープルとホワイトのコンビネーションも美しく、数年前からの“オシャレ路線”をさらに突き進めたような一着。
そしてこのユニフォームは、2018年3月4日に遠征先のホテルで急死したフィオレンティーナ“永遠のキャプテン”ダヴィデ・アストーリに敬意を表し捧げたものでもある。
ヴェネツィア
ヴェネツィア 2023-24 Kappa ホーム ユニフォーム
今やユニフォームやサッカーファンだけではなく、ファッションの世界からも熱い視線を浴びるヴェネツィア。
新シーズン前に発表される新ユニフォームへの注目度の高さはイタリア2部クラブとは思えず、今やユヴェントスやミランなどを凌駕する。
ブラックを基調に、チームカラーのオレンジとグリーンのストライプを中心に走らせるスタイリッシュな一着。
アートな雰囲気さえ漂わせるこのデザインは、ヴェネツィア生まれの建築家カルロ・スカルパが手掛けた歴史的な文化施設「クェリーニ・スタンパーリア」の改修(リノベーション)に着想を得ている。
現在のヴェネツィアのデザインを担当するのは、先にご紹介したアテネ・カリテアと同じドイツのグラフィックデザインスタジオ「Bureau Borsche(ビューロー・ボルシェ)」。
なお、創業者でデザイナーのミルコ・ボルシェ氏は10月7日、自身のインスタグラムでヴェネツィアとの仕事は今季が最後になると発表。大変残念だが、両者のパートナーシップは3年間で一旦終了となるようだ。
ボローニャ
ボローニャ 2023-24 Macron アウェイ ユニフォーム
かつて冨安健洋もプレーしたイタリア1部ボローニャ。クラブ名だけを見れば意外な選出と思われるかもしれないが、今季のボローニャにはかなり興味深いデザインが揃っている。
定番のホワイトを基調に、チームカラーのレッドとブルー2色の斜めストライプ(たすき)をデザイン。斜めストライプは冨安健洋が在籍していた19-20シーズン以来だ。
クラブ創設114周年となる今季は、ホーム・アウェイどちらもクラシックなスタイルを採用。とりわけ襟付きのアウェイはシンプルで美しい。
そしてこのユニフォームの美しさを際立たせている要素の一つが、胸のスポンサーロゴマークだ。
今季からパートナーの「Saputo」はイタリアの食品企業。クラシックなブランドロゴとユニフォームデザインとの相性が良く、“胸ロゴ”もデザインの一部なのだと再認識させられた思いである。
モナコ
モナコ 2023-24 Kappa ホーム ユニフォーム
南野拓実が所属するフランス1部モナコ。ここではホームユニフォームを選んでいるが、今季はアウェイとサードも実に素晴らしいデザインだ。
ベースとなるデザインは、1960年から使い続けてるレッドとホワイトのエレガントな斜めスタイルを継承する。
今やモナコの伝統である斜めデザインは、元映画女優で1956年にモナコ公国の君主と結婚した故グレース・ケリー公妃によるもの。55度の角度で区切るスタイルはモナコの代名詞となっている。
キットサプライヤーはイタリアのブランドKappa。近年はサプライヤーロゴとエンブレムを鎖骨付近に配するスタイルが特徴的だ。
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いつも同じに見えるが、実はシーズンごとに異なる顔を見せる斜めデザイン。
今季はレッド部分に描く網目のようなグラフィックが印象的だ。これについての具体的な説明はないが、もしかしたらモナコ公国に見られるガラスモザイクをイメージしたものかもしれない。
デザインはチームの愛称“Les Rouge et Blanc(赤と白)”をシンプルに具現化したもの。世界各国のユニフォームファンやメディアにも今季のベストに選ばれる一着である。
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